くまにち メディカルインタビュー
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産科・婦人科編

2012/10/19掲載
 
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妊娠中は生理的高脂血症状態に 中性脂肪もコレステロールも高くなります
 
うしじまクリニック
牛島 英隆氏
産科・婦人科うしじまクリニック院長
医学博士
妊娠中に気になるのが妊婦の健康状態。体重管理はきちんとできていても、血液中の中性脂肪や総コレステロールなどの値が基準値を超えることがあるそう。専門医に詳しく聞きました。

 ■妊娠中、中性脂肪などの値はどのように変化するのですか?
 一般に、妊娠中の中性脂肪(TG)やHDLコレステロール(善玉コレステロール)、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の基準値は設定されているわけではありません。しかし、職場で受ける健康診断などで、それらの値が非妊娠時の基準値を超えているのを指摘される妊婦もいます。妊娠初期から末期にかけて値は徐々に増え、例えば妊娠末期の総コレステロール値は非妊娠時に比べると1・6倍ほど高くなり、中性脂肪にいたっては3倍以上にもなります。

 ■原因は何ですか?
 正常な妊娠では、妊娠初期(〜15週)から中期(16週〜28週)にかけて脂肪の合成が、末期(29週〜出産)は脂肪の分解が促進されます。これは胎盤から出る性ホルモンや酵素による影響と考えられています。妊娠すると、個人差はありますが、体重が10〜11s増加します。このうち脂肪組織の重さが約3・5〜4sあり、それにより血中脂質も変化します。時々職場の健康診断などで異常値を指摘される妊婦もいますが、これは生理的な「脂質異常状態」で、妊娠中は特に異常なわけではありません。妊娠時の生理的な高脂血症に関しては詳しい医学書がほとんどなく、内科の専門医でも異常と判断してしまうことがあります。赤ちゃんを産んだ後でも高脂血症が続くときは詳しい検査や治療が必要な場合もありますが、ほとんどの妊婦は正常値に戻るので心配ありません。



 
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