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予防医学編

2012/1/6掲載
 
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30歳を超えたら意識したい脳卒中の予防 未発症の脳疾患と危険因子を発見する脳ドック
 
済生会熊本病院健診センター 副部長
坂本 祐二氏
以前は“高齢者の病気"というイメージが強かった脳卒中。最近ではプロスポーツ界や芸能界などで比較的若い世代の人が発症したことから、関心が高まっています。病気を未然に防ぐ脳ドックについて聞きました。

 ■脳卒中は比較的若い世代でも注意が必要なのですか?
 一般に「脳卒中」と呼ばれる脳血管障害には、大きく分けて脳の血管が破れて起きる「脳出血・くも膜下出血」と、血管が詰まって起きる「脳梗塞(こうそく)」があります。脳血管障害の最も大きな原因は、心臓から脳へ向かう血管の動脈硬化にあり、加齢をはじめ高血圧や高脂血症、糖尿病、心臓病などが危険因子として挙げられます。若い世代でも、これらの危険因子に肥満、たばこ、ストレスなどが加わると、発症の可能性がより高まります。

 ■脳ドックでは、どんなことが分かりますか?
 脳ドックの主目的は、脳卒中をはじめとする未発症の脳疾患と、その危険因子の早期発見にあります。得られたデータを治療や予防に生かすことで、発症を未然に防ぐ役割を果たします。具体的には、(1)頸(けい)部から頭蓋(がい)内の血管における動脈硬化の状態(2)くも膜下出血の主な原因である脳動脈瘤(りゅう)の有無(3)細小血管の動脈硬化の状態による脳内出血の危険性―などが分かります。他にも、脳腫瘍(しゅよう)・眼窩(か)内腫瘍の有無、脳卒中の既往、脳外傷の既往、脳奇形・脳血管奇形、脳血管障害に基づく認知症の発生予測、認知症の初期症状、慢性硬膜下血腫などが分かります。

 ■どんな検査を行うのですか?
 脳の断層写真を撮る頭部MRI、頭蓋内の血管の様子を調べる頭部MRA、動脈硬化の有無を調べる頸部血管超音波、認知症をチェックする検査、その他一般検査を行います。レントゲンや造影剤などは一切使用せず、検査による痛みや危険性もありません。所要時間は、検査後の医師の診察、結果説明、指導なども含めて半日程度です。脳血管障害は無自覚なまま進行して突然、発症します。一命は取り留めても、まひや言語障害などの後遺症が要介護状態を招くことも多く、30歳代以降の方は定期的な検診をお勧めします。ペースメーカー装着や手術で体内に金属を埋め込んでいるなど、検査が受けられないケースもあり、事前に医療機関までご相談ください。



 
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