くまにち メディカルインタビュー
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呼吸器内科編

2011/2/11掲載
 
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ぜんそく症状自体をコントロール アレルギー反応を抑制する新治療
 
くわみず病院 副院長
池上あずさ氏
気道が狭まり、ゼイゼイ、ヒューヒューとのどが鳴る喘鳴(ぜんめい)や咳、息苦しさなどの症状が出るぜんそく。原因の一つのアレルギー反応を抑制する新しい治療法があるそうです。

 ■ぜんそくについて教えてください。
 気道(気管支など)に炎症が起き、空気の流れが制限される病気です。炎症を起こす大きな原因の一つに、アレルギーが挙げられます。体内にアレルギーを起こす原因物質(抗原)が侵入すると、IgEと呼ばれる抗体が作られます。このIgEが抗原とくっつくと、炎症に関わる細胞の一つであるマスト細胞に結合し、そこから気道に炎症を起こす化学物質が放出されます。その結果、気道の炎症を起こしたり、気道が狭くなって呼吸困難になるのが、ぜんそくの発作です。

 ■どのような治療法があるのでしょうか?
 これまでは吸入ステロイド剤など、ぜんそくの炎症や発作を一時的に抑える治療薬しかありませんでしたが、新しい治療薬「抗IgE抗体製剤」が一昨年、厚生労働省に認可されました。これは、抗原とIgE、IgEとマスト細胞などとの結合をブロックすることで、アレルギー反応=炎症そのものを抑制します。

 ■「抗IgE抗体製剤」の投与方法や回数は?
 2週間または4週間に1回、皮下注射をします。投与量は体重と血液中のIgE抗体量によって決まります。副作用として注射部位が赤くなったり、まれに倦怠感を感じる人もいます。また、ぜんそくを患う人の約1割とされる「アスピリンぜんそく」の場合は、製剤使用に注意が必要です。治療を始めて早ければ3〜4週間で、症状が軽くなったり発作が治まったというケースが報告されています。「坂道を休憩せずに登れるようになった」「人ごみの中にも行けるようになった」「発作止めの吸入薬がなくても平気になった」などの声も聞かれています。

 ■治療の対象になるのは?
 吸入薬や内服といった既存の薬では症状がコントロールできない重症の人が対象になります。ただし、子どもや妊婦、授乳中の人は適用外です。詳しくは専門医にお尋ねください。



 
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