くまにち メディカルインタビュー
   HOME > 婦人科 インタビュー一覧> 婦人科 最前線
 
不妊治療編

2010/12/3掲載
 
MENU
美容整形
美容皮膚
ダイエット
内科
心療内科
歯科
皮膚科
婦人科
肛門科
がん治療科
小児科
眼科
整形外科
耳鼻咽喉科
神経内科
泌尿器科
放射線科
循環器内科
医療福祉
消化器外科
形成外科
味覚障害
免疫治療
血管外科
精神科
受精障害を防ぐ 「レスキューイクシー」 体外受精をより有効なものに!
 
ソフィアレディースクリニック水道町
岩政 仁氏
熊本大学医学部大学院博士課程卒
日本産科婦人科学会専門医
日本生殖医学会生殖医療指導医
日々進歩している不妊治療。その中で、レスキューイクシー(ICSI)という治療法が注目されています。専門医に詳細を聞きました。

 ■体外受精を行っても、受精卵が得られないこともあるそうですね。
 はい。体外受精は、それ以外の不妊治療では妊娠が希望できない場合に行い、卵を取り出し(採卵)、精子をふりかけ(媒精)、得られた受精卵を子宮に戻すという治療法になります。残念ながら体外受精では約10%に、受精卵が得られないという周期が認められています。これは体外受精としては失敗で、患者さんのショックも大きいものです。

 ■受精障害を防ぐことはできるのでしょうか?
 現在、受精障害の治療は顕微授精(ICSI・イクシー)という、細い針で直接卵に精子を注入する方法しかありません。採卵した卵の寿命は12時間なので、通常行われている媒精後18時間での受精確認で「未受精」と判断された場合は、もはや顕微授精で卵を救う(レスキューする)ことはできません。そこで最近注目を集めているのが、媒精後6時間で確認される第2極体放出の有無で受精障害を診断し、顕微授精を行う方法です。これを「レスキューイクシー」と言います。未受精の卵に顕微授精を行うことで受精障害を防ぎ、妊娠も可能になります。未受精の診断は難しいとされていますが、ポロスコープなどの機械の導入で、より正確な診断が可能になりました。取れた卵を有効に用い、受精障害の周期を減らせることから、導入する施設も増えているようです。特に、初めて体外授精を受けられる人には、受精能力を確認するために試みてよい方法だと思います。詳しくは専門医にお尋ねください。



 
無断転載は禁じます。
掲載の記事、写真等の著作権は熊本日日新聞社または、各情報提供者にあります。
Copyright Kumamoto Nichinichi Shimbun
  (c) 熊本日日新聞社 〒860-8506 熊本市中央区世安1-5-1
くまにち.com トップページへ