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産科・婦人科編

2010/8/27掲載
 
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九州だけではなかったATL合併妊娠 授乳制限で赤ちゃんへの感染予防を !
 
うしじまクリニック
牛島 英隆氏
産科・婦人科うしじまクリニック院長
医学博士
発症すれば治療が難しいATL(成人T細胞白血病)のキャリア(未発症のウイルス保有者)は、以前は九州・沖縄地方に多いとされていました。しかし近年、都市への人口移動などにより、関東・近畿にも拡大しています。

 ■ATLとは何ですか?
 HTLV‐1ウイルスが引き起こす血液のがんです。血液の中でも免疫に関係するリンパ球に、このウイルスは潜んでいます。

 ■キャリアとは何ですか?
 ウイルスが体内に入っても、実際に発症する人はほんの一部とされます。ウイルスを持っているが、発症していない人のことを「キャリア」と呼びます。

 ■キャリアからの発症率はどれくらいですか?
 ほとんどのキャリアが発症しませんが、40歳を過ぎると年間で約1000人に1人が発症するといわれています。発症の平均年齢は60歳程度で、発疹やリンパ節が腫れる初発症状に始まり、目の病気や下半身麻痺等が起こります。治療が困難なことも多いとされています。

 ■妊娠中に検査をするのはなぜ?
 主な感染経路は、母親から子どもへの母乳を介した母子感染で、乳汁に含まれるリンパ球の中にウイルスは潜んでいます。しかし、授乳を3カ月で止めると、赤ちゃんへの感染はほとんど起こらないことが分かっています。

 ■赤ちゃんへ感染したかどうかはどうやって分かりますか?
 3歳過ぎの抗体検査でほぼ判明します。より早く知りたいときは、1歳過ぎに抗体検査を受けることもできます。しかしその際の結果が陰性でも、その後感染する可能性がありますので、3歳以降に再検査されることをお勧めします。



 
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