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耳鼻咽喉科編

2010/5/28掲載
 
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外科的治療が必要な中耳炎 耳だれと進行する難聴には要注意
 
熊本未来クリニック
野口 聡 氏
日ごろからよく耳にする「中耳炎」ですが、治療を怠ったり慢性的な症状を見過ごしたりしていると、危険な状態になる可能性もあるそうです。

 ■特に注意が必要な中耳炎とは。
 左右の聴こえ方が異なり、進行する難聴は要注意です。これに、反復する耳だれや痛み、めまいなどがある場合、真珠腫(しんじゅしゅ)性中耳炎や慢性化膿性中耳炎などの可能性があります。

 ■どんな病気なのですか。
 真珠腫性中耳炎は、鼓膜に生じたへこみが中耳深部に侵入し、腫瘍のような塊を形成する病気で、放置すると周囲の骨を破壊し、髄膜炎や顔面神経まひ、めまいなどの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。慢性化膿性中耳炎は、過去の急性中耳炎などが原因で鼓膜に穴が残り、難聴や耳だれを生じる病気です。いずれも、薬や注射などの保存的治療では完治が難しく、根本的な治療としては手術が必要です。

 ■手術について教えてください。
 手術用顕微鏡で真珠腫や中耳の炎症性病変を除去した後、鼓膜や耳小骨(じしょうこつ)の再建を行います。術後にめまいなどの合併症がなければ、全身麻酔の場合でも、翌日より食事や歩行ができ、近隣で頻回に通院ができる方については1泊2日程度の入院での手術も可能です。真珠腫性中耳炎は再発の恐れがあり、術後も定期的な受診による長期経過観察が必要です。

 ■症状があっても慢性的な中耳炎だからと見過ごす人が多いとか。
 進行すると合併症のリスクも高くなります。手術の難易度も高くなり、手術による聴力改善も難しくなります。しかし、放置せずに適切な治療を受ければ決して怖い病気ではありませんので、症状がある方は早めに専門医にご相談ください。



 
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