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うしじまクリニック
牛島 英隆氏
産科・婦人科うしじまクリニック院長
医学博士 |
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最近、出産直後に母親と赤ちゃんのきずなを深めるのに効果的だとされている「カンガルーケア」が大きな病院や産科のクリニックで取り入れられています。しかし、事故につながるケースもあるそうです。専門医に詳しく聞きました。 |
■「カンガルーケア」とはどんなケアで、どんな利点があるのですか? |
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1970年代にコロンビアで低出生体重児に対する保育器不足対策で始まったもので、母親が乳房の間に新生児を抱き、肌と肌を接触させながら保育することをいいます。日本でも1990年代から、NICU(新生児集中治療室)で実施されるようになりました。利点としては、赤ちゃんの呼吸が安定し、眠りも深くなります。また、起きているときもおだやかで、免疫力も高まり感染予防につながります。母親は母乳保育の促進、母子関係が深まることで育児を楽しむ余裕も生まれます。 |
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そうとも言えません。2007年1月号の日本産婦人科医会報によれば、その安全性について統計的な検討はされていないということでした。正期産の成熟児でも、カンガルーケア中に呼吸停止が起こり、心肺蘇生(そせい)で救命した症例報告があります。ごく最近では、心肺蘇生が間に合わず、脳性まひになった赤ちゃんの例があります。現時点では、カンガルーケアが原因かどうかは、はっきりしていません。 |
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■では、妊婦さん・お母さんはどのように考えればよいですか? |
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産科には、はやりすたりがあります。例えば、座位分娩、その次はうつぶせ寝保育、自宅分娩の雰囲気のLDRなどがはやりましたが、今ではあまり聞かれません。新しい方法論などは妊婦さん自身が十分理解した上で臨む、場合によっては断ることも大事だと思います。 |
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