くまにち メディカルインタビュー
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神経内科治療最前線 アルツハイマー型認知症

2010/2/13掲載
 
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早期発見すれば、通常の生活も可能!
 
医療法人社団 知新会 西村内科脳神経外科病院 院長
吉本 幸生氏
認知症の一種であるアルツハイマー型認知症。早期に発見すれば、進行を食い止め、普通の生活を送ることもできるそうです。詳しく聞きました。

 ■アルツハイマー型認知症とは、どんな病気ですか?
 脳の神経細胞が急速に減ってしまうことによって、物忘れや、思考・判断力の低下、言葉や行動の異常が出てくる進行性の病気です。内科的異常が特に見られず、徐々に症状が表れるため、本人に自覚症状がない場合が非常に多いですね。物忘れは年のせいだと思い込んで放置し、気がついたときには手遅れになってしまうということもよくあります。本人が自覚しにくい病気ですので、一緒に暮らす家族など、周囲の人が早めに気づいてあげることが大切だと思います。

 ■高齢になると、発症しやすいのでしょうか?
 はい。確かに発症するのは65歳以上がほとんどです。しかし、若い年齢で発症する若年性アルツハイマー型認知症もあり、患者数も増加しています。

 ■はい。確かに発症するのは65歳以上がほとんどです。しかし、若い年齢で発症する若年性アルツハイマー型認知症もあり、患者数も増加しています。
 残念ながら、現段階ではアルツハイマー型認知症の確実な予防法はありません。進行した認知症を改善する治療薬もまだないですね。しかし、出来るだけ早期に診断し、内服薬(アセチルコリンエステラーゼ阻害剤)の投与を開始することで、進行を遅らせ、症状を軽減することはできます。通常と変わらず、社会生活を送ることも可能と言えるでしょう。そのためにも、まずは早期診断が絶対必要だと言えますね。

 ■早期に診断するには、どうすれば良いのですか?
 これまでアルツハイマー型認知症を早期に診断することは困難だとされていました。しかし、「早期アルツハイマー型認知症診断支援システム(VSRAD)」の開発によって、早期発見が可能となりました。このVSRADとは、アルツハイマー型認知症に特徴的に見られる海馬傍回(かいばぼうかい)付近の萎縮程度を、MRI画像から読み取る画像処理解析ソフトウェアです。目視で判断する場合は、病状が中等度まで進行していなければ診断が難しいのですが、このソフトを使用すれば、早期でもかなりの精度で診断することができます。最近になって物忘れがひどい、思考・判断がおかしいなど、いつもと違う様子を感じられることがあれば、まずは一度検査を受けられることをおすすめします。



 
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