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内科最前線 キレーション療法

2010/1/23掲載
 
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糖尿病に伴う動脈硬化の改善も期待
 
新大江クリニック 院長
花輪 健郎氏
炭坑で働く労働者の鉛中毒を治療するため、アメリカで50年ほど前に始まったキレーション療法。最近では、高血圧や動脈硬化に対する治療法として注目されています。キレーション療法について詳しく聞きました。

 ■キレーション療法とは、どのような治療法ですか。
 Na‐EDTAという合成アミノ酸を週に1〜2回、90分程度点滴することにより、体内に蓄積された有害重金属を尿と共に排泄させるという治療法です。加齢と共に体内にはアルミニウム、鉛、ニッケル、カドミウム、水銀などの有害重金属が蓄積され、さまざまな健康障害を起こします。こうした有害物質を体外に排泄させる、生活習慣病の新しい治療法と言えます。

 ■糖尿病などが原因の動脈硬化の治療にも有効だとか。
 糖尿病により心臓の血管の動脈硬化が進行した場合、心筋梗塞や狭心症に至るケースがありますが、そうなる前にこの治療を行うことで、Na‐EDTAが血管内の不要なカルシウムを排泄するため、動脈硬化の予防や改善が期待でき、心臓バイパス手術を回避できる場合もあります。また、糖尿病による閉塞性動脈硬化症の壊疽(えそ)に対しても、改善が報告されています。

 ■治療の際の注意点はありますか。
 キレーション療法は有害金属を排泄させる効果がありますが、一方で体に必要な金属も排泄してしまいます。治療を行う場合は、ミネラルの補充と共に食事面など生活習慣の改善が必要です。なお、腎臓の機能が極度に低下している方や透析を受けている方は、この治療を受けることはできません。治療にあたっては、血液検査や毛髪検査などで、有害金属の蓄積度などを調べます。なお、これらの治療は、現在のところ保険外診療になります。



 
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