くまにち メディカルインタビュー
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心療内科最前線 うつ病

2006/5/19掲載
 
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気分と身体のサインを見逃さないで
 
銀座通りクリニック院長
井形朋英氏
最近、なんとなく続いている気分や身体の不調を、「もっとしっかりしなきゃ!」と思ったり、「そのうち治るだろう…」と片付けていませんか? もしかしたら、うつ病のサインかもしれません。

 ■うつ病について教えて下さい。
 うつ病の原因は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンとノルアドレナリンの働きの低下です。これによって、精神症状と身体症状が現れます。『精神症状』では気分が落ち込む、自信がなくなるといった「気分の症状」。集中力や判断力の低下、自分には価値がない、人に迷惑ばかりかけている、今後もずっと良いことがないなどの悲観的な考えをする「思考の症状」。日常的にやっていたことが重荷になったり、人に会いたくない、電話に出たくない、興味がわかない、何をやっても楽しくないという「意欲の症状」などがみられます。また、『身体症状』では、眠れない、身体が重い、脱力感がある、疲れやすい、食欲低下、便秘、口が渇く、頭重感、肩こり、性欲減退などが挙げられます。

 ■誰でも「気分が落ち込む」ということはありますが、どこからが病気なのでしょうか。
 「どこから」というのは非常に難しいのですが、前述のような状態が2週間以上続いて、日常生活に支障を来たすようであれば、うつ病の可能性があると考えてよいでしょう。

 ■治療はどのように行われますか。
 うつ病の治療は十分な休養と睡眠、そして抗うつ剤という脳内の神経伝達物質の働きを改善するお薬の内服が基本です。その人の状態によって、よく眠れるように睡眠導入剤や不安や焦燥感を減らす安定剤をプラスすることもあります。うつ病は必ず良くなる病気なのですが、具合が悪いと本人が良くなった自分を想像することができなくなり、その絶望感から自殺を考えるようになる人も多くいます。周囲が早めに本人の変化に気づいて、本人の訴えは静かに聞き、早めに受診されることを勧めて下さい。



 
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