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済生会熊本病院 呼吸器科部長兼健診センター長
菅 守隆氏
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初期は無症状のため、発見が遅れがちになることもある大腸がん。特に中高年の男女で増えており、早期発見、早期治療が重要です。内視鏡検査に比べ、体への負担が軽いとされるCT大腸がん検査について聞きました。 |
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大腸がんは、食生活の欧米化など生活習慣の変化に伴い、男女ともに急速に罹患(りかん)率が上昇してきた病気です。この増加傾向は今後もさらに進むとみられますが、大腸がん検診の受診率は、まだ3割程度という低い水準のままです。 |
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危険因子として@大腸ポリープの既往歴があるA家族に大腸がんや大腸ポリープにかかった人がいるB高脂肪・高たんぱく質の食習慣が長く続いているC便秘がち─などがあります。最も多いのは50歳代の男性ですが、最近では30〜40歳代の人や女性も増加傾向にあります。 |
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大腸がんは初期は無症状のため、「検査が恥ずかしい」「内視鏡検査は痛いのでは」と、ためらう人が多いようです。そのため、最も簡単な「便潜血検査」で疑いが出ても、「痔の病気では」との自己判断で見過ごされがちです。そこで、検診のハードルをより低くする「CT大腸がん検査」が最近、注目されています。これは、腹部をCT撮影してコンピューター解析する方法で、大腸全体の形や内部の状況を3D画像化し、病変の有無を診断します。内視鏡検査のようにカメラを腸内に挿入する必要がなく、痛みや安全性などで受診者の方の負担を軽減できます。 |
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事前に下剤を服用し、便を排出して腸内をきれいにします。次に、大腸を膨らませた状態で撮影するため、お尻から炭酸ガスを注入。そして、寝ている状態のまま仰向けや腹ばいの姿勢を撮影して終了です。検査室での所要時間は約10分。炭酸ガスは短時間で体内に吸収されるので、検査後数分でおなかの張った感じが消え、直後の食事も可能です。 |
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放射線を使うため、妊婦や妊娠の可能性がある人は対象外です。今まで内視鏡検査に慣れていた人も、「こんなにラクなら次からは大腸CTで」と言われるほどです。いずれにしろ、がんは早期発見が最も重要です。定期検診をはじめ機会を逃さず検診を受けることで、自らの健康維持に努めていただきたいですね。 |
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