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むらたクリニック
村田和哉氏
医学博士
熊本大学医学部卒業
熊本大学医学部大学院博士課程修了
日本外科学会認定外科専門医 |
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毎年、10月に行われるピンクリボン運動で、乳がんの早期発見の重要性が広く知られるようになりました。しかし、まだまだ検診率は低いそうです。乳がんの危険因子や進化する手術法について聞きました。 |
■乳がんは早期発見が大事だと、かなり浸透してきたようですね。 |
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さまざまな啓発運動により広く知られるようになってはきました。しかし、検診率は依然20%前後で、欧米に比べ圧倒的に低いままです。現在、乳がんは日本の女性が罹患(りかん)するがんのトップであり、最低でも検診率が50%まで上がれば、より多くの命が助かるはずです。 |
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乳がんになる人は30歳を境に急増しますが、危険因子としては、@出産経験がないA高齢初産B初潮が早く閉経が遅いC肥満(特に閉経後)D良性の乳腺疾患になったことがあるE近親者に乳がんになった人がいるF本人が過去、乳がんになったことがある―などが挙げられます。ただし、若い世代や出産経験のある人がかかる場合もあります。 |
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最近、その質問をよく受けます。しこりがないまま進行すると誤解されていますが、単に手に触れないほど小さいという意味です。早期乳がんの定義は2p以内ですが、1pになるには7〜8年を要します。ですから、自己検診でわかるほど大きくなるまで放置せず、乳がん検診で一刻も早く見つけてほしいのです。早期発見の乳がんは日本では90%以上の治癒率となっており、決してこわい病気ではありません。 |
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■女性にとって乳房を失ったり傷が残るのは大きなショックですが。 |
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現在は乳房温存手術が主流で、必要最小限の部分切除を行い傷跡も目立たないよう工夫できます。2p以上のがんも、複数の抗がん剤の術前投与で小さくして手術を行えば、温存が可能です。全摘出の場合でも、自分の筋肉を用いる乳房再建手術があり、保険も適用されます。再建術は乳腺外科と形成外科の連携が必要なので、詳しくは主治医にご相談ください。 |
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多くの患者さんを診る中で、「医者が病気を治す」との考えは傲(ごう)慢だと思うようになりました。ある意味、病気は患者さん自身の力が治すもので、医師はそれをサポートするのが仕事です。たとえ乳がんになっても、治療法の進歩により再発しない人の方が多いのです。決して恐れたり悲観したりせず、乳がん検診を必ず受けてください。 |
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