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医療法人社団 知新会 西村内科脳神経外科病院
西村 誠一郎氏
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突如として意識を失い、倒れてしまう脳卒中。後遺症が残ったり、ときには命を失うこともあります。そこで、原因と予防について聞きました。 |
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脳の血管が破れる脳出血と、脳の血管が詰まる脳梗塞(脳血栓症)があります。どちらも、高血圧による動脈硬化が最大の原因です。平常時の血圧が140/90oHgを超える人は、脳卒中をはじめとする動脈硬化性疾患になりやすいと分かっています。そのため現在は、以前に比べ低めの130/80oHg以下を保つよう指導しています。それから昼の血圧が正常な人でも、睡眠中の血圧が上昇することもあるので要注意です。 |
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小型の血圧記録計を24時間装着し、いつも通りの生活をします。そのデータを分析することで、仕事や運動、睡眠中の高血圧を発見することが可能です。また、夜間の血圧測定は、睡眠時無呼吸症候群の発見にもつながります。昼間に眠くなったり、体がだるいなどの症状がありますが、通常は自覚しにくいものです。無呼吸になると、血中の酸素が欠乏し、夜間高血圧、動脈硬化を引き起こします。 |
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■高血圧以外にも、脳卒中の原因として何がありますか? |
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糖尿病も大きな誘因として考えられます。中でも、境界型糖尿病と呼ばれる軽い糖代謝異常の人は危険性が高いといわれています。重度の糖尿病が眼底出血による失明や、腎臓病を引き起こすと知られているように、軽度の糖尿病は脳や首、心臓の血管の動脈硬化を進行させ、脳梗塞、心筋梗塞を引き起こすことが分かってきました。軽度とつい油断しがちですが、実は注意が必要なのです。高血圧や糖尿病をコントロールすることは、脳卒中の予防に大変有効といえるでしょう。 |
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■高血圧、糖尿病をコントロールするためにはどうすればいいですか? |
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まずは食事制限と適度な運動が基本ですね。加えて高血圧の場合は、家庭での血圧測定を毎日行いましょう。糖尿病の場合は、月に1回程度、血糖値の検査を受けることをおすすめします。血糖値異常は、空腹時の検査だけでは見過ごされることがあるので、食後2時間目の検査を受けるようにしましょう。また、エコーによる頸動脈の動脈硬化測定、MRIによる脳血管障害の検査は、脳卒中などの動脈疾患を早期に発見することができるため、一度受けておかれるといいですね。脳卒中の予防には、早めの対処が重要といえます。 |
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