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子どもに多い病気と思われがちな鼠径ヘルニア。実際には成人男性に多く、年間の手術数は虫垂炎を上回るそうです。術後の回復が早く短期間の入院で済む腹腔鏡(ふくくうきょう)手術について聞きました。 |
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ヘルニアとは、臓器や組織が本来あるべき正しい位置からはみ出した状態を指します。鼠径ヘルニアは、小腸や大腸の一部が鼠径部(足の付け根)の筋膜の隙間から皮膚の内側に出てくる病気で、一般の方には「脱腸」と呼ばれています。 |
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子どもにみられる先天性の場合と、加齢で筋膜が弱くなり中高年になって起こる場合があります。性別では体の構造的な違いから圧倒的に男性に多く、立ち仕事や腹圧のかかる作業に長年、従事している方に多くみられます。ゴルフで腹部に力を入れたら鼠径部の違和感に気づいたというケースもありますね。初期では、「軟らかい腫れ」の部分を指で押すと引っ込み、ヘルニアが出たり入ったりしても特に痛みはなかったりします。しかし、腫れが硬くなる、痛みが出る、押しても戻らないなどの場合、嵌頓(かんとん)といって腸閉塞につながる危険性があり、早急に手術したほうがよいでしょう。 |
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以前は筋膜の隙間の開いた部分を縫い縮める手術が一般的で、約1週間の入院が必要でした。最近では筋膜の隙間をメッシュのシートでふさぐ方法が主流になり、シートを当てるだけで縫合の必要がないため、術後にあった痛みやつっぱり感が軽減でき、再発の可能性もほとんどなくなりました。 |
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メッシュでふさぐ手術で腹腔鏡を用いる「TEPP法(腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術)」があります。この手術は全身麻酔で腹部に0・5pと2pの穴を計3カ所開け、腹腔鏡や電気メス、鉗子(かんし)などを挿入し、腹腔鏡で写し出された患部の映像を見ながら行います。手術時間は約30〜40分。出血や術後の痛みが従来の手術より少なく、入院期間も1〜2泊程度で済みます。術後すぐに歩けるほど回復が早く、退院後は特に通院の必要もありません。 |
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高血圧などの持病で服用している薬があれば、治療に先立って必ず医師に申し出てください。鼠径ヘルニアは生活習慣病などと異なり、自身の努力で予防や改善ができる病気ではありません。長年、痛みや不自由さを我慢していた患者さんからは、「もっと早く治療すればよかった」と言われます。日常生活の質を向上させる意味からも、早めの受診をお勧めします。 |
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