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うしじまクリニック
牛島 英隆氏
産科・婦人科うしじまクリニック院長
医学博士 |
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ひどい月経痛に悩まされていませんか? もしかすると、それは子宮内膜症が原因かもしれません。卵巣の機能が活発な20〜30代の女性に多くみられるという子宮内膜症、中でもチョコレート嚢腫のがん化について伺いました。 |
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子宮内膜症とは本来、子宮の内側にあるべき内膜組織が、卵巣や子宮筋層の中、あるいは腹膜表面などで発生し、そこで月経が起こる病気です。卵巣に起こる子宮内膜症では、卵巣内にホットチョコレートのような月経血の貯留が起こり、チョコレート嚢腫と呼ばれる卵巣の腫れをつくることがあります。 |
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たくさん子どもを産んでいた昔は、子宮内膜症はほとんどみられない疾患でした。つまり、月経のない期間が長ければ長い(妊娠していた回数が多い)ほど、子宮内膜症にはなりにくいというわけです。現代では結婚する人が減少し、高齢での結婚・妊娠する人が多いために子宮内膜症が増加しているようです。最近、この増加してきた子宮内膜症のチョコレート嚢腫のがん化が報告されるようになってきました。 |
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以前から子宮内膜症は良性疾患の位置づけでした。そのためチョコレート嚢腫の外来管理は、月経痛や腰痛、過多月経などの症状がなければ、検査をすることなく漫然と投薬のみを続けていく傾向にあったのです。ところが最近、悪性化が問題視されており、がんになるチョコレート嚢腫は0・7%程度あるといわれています。これは子宮内膜症でない女性と比較して、23倍もがんになりやすいことになります。今後は40歳を過ぎて4p以上の嚢腫がある症例や急激に大きくなるチョコレート嚢腫については、薬の投与だけでなく、厳重な観察、精査が必要です。 |
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