くまにち メディカルインタビュー
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神経内科治療最前線 足のしびれ

2009/1/31掲載
 
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放置すれば重大な病気の恐れも
 
医療法人社団 知新会 西村内科脳神経外科病院 院長
吉本 幸生氏
高齢になると、足がしびれたり、痛みを感じたり、足先の冷感を訴える人も少なくありません。そのまま放っておくと、重大な病気になる恐れもあるそうです。足のしびれの原因と対策について聞きました。

 ■足のしびれはなぜ起こるのでしょうか?
 腰の病気または血管の病気が原因として考えられます。腰の病気とは「腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症」、血管の病気は「閉塞性動脈硬化症」と言われるものです。

 ■「腰部脊柱管狭窄症」とはどんな病気ですか?
 両足の神経は背骨の中の管「脊柱管」を通って脳へつながっています。その管が細くなって、神経を圧迫するのがこの病気です。原因は、椎間板のヘルニア、骨の変形、じん帯の肥厚などさまざまです。放っておくと排尿や排便に障害が出たり、ひどくなると下半身が動かなくなり、寝たきりになってしまうこともあります。

 ■もう一つの「閉塞性動脈硬化症」について教えてください。
 足に血液を送るための太い動脈が、動脈硬化によって非常に細くなったり詰まったりして、筋肉や神経が血液不足になり、しびれや痛みが出る病気です。動脈硬化というと、一般に脳梗塞や心筋梗塞を連想しがちですが、実は足に起こる場合も多いのです。そのままにしておけば、脳や心臓まで動脈硬化が進み、重症化する危険性もあります。足のしびれや痛みは重大な病気を知らせるシグナルと考え、早めに対処することが大切ですね。

 ■早期に発見する方法は?
 どちらの病気も、検査をすることで簡単に発見することができます。「腰部脊柱管狭窄症」は腰椎、「閉塞性動脈硬化症」は骨盤から下肢の動脈をMRIで撮影します。

 ■治療はどのように行われますか?
 「腰部脊柱管狭窄症」は理学療法や内服治療を行います。それでも症状が改善しない場合、整形外科手術をお勧めします。「閉塞性動脈硬化症」の場合、軽症であれば生活習慣改善の指導や血管を拡張する薬、血液をサラサラにし循環を良くする薬を使います。重症になると、ふさがった血管を開通させるための血管内治療(管を通して血管を広げる治療)や、血行再建術(バイパス手術)を行います。いずれの場合も、早期に発見することで、脳梗塞や心筋梗塞、寝たきりなどを予防することができ、簡単な治療で改善することも可能です。単なる足のしびれと油断せず、まずは専門医で受診しましょう。



 
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