くまにち メディカルインタビュー
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予防医学最前線 大腸がん

2008/12/20掲載
 
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急増する大腸がんは早めの検診を
 
済生会熊本病院健診センター 医長
満崎克彦氏
食生活が豊かになるにつれて増えてきた大腸がん。初期症状を自覚しにくいことが多く、検診で便潜血陽性と出ても「痔の病気かもと精密検査を受けない人が多いそうです。検査や注意点について聞きました。

 ■大腸がんは増えているのですか?
  確かに増えています。国内の罹患(りかん)率は、1975年では10万人あたり20人程度だったのが、2005年には男性で同90人弱、女性で同50人弱にまで増加しています。今後もこの増加傾向はさらに進むとみられています。

 ■原因と、大腸がんになりやすい人とは?
 大腸がんの原因は食生活の欧米化が一因といわれますが、はっきりしたことは不明です。罹患のリスクが高いのは、@大腸ポリープの既往歴があるA家族に大腸がんや大腸ポリープにかかった人がいるB高脂肪高たんぱく質の食習慣が長く続いているC便秘がち、などです。50歳代の男性に多く見られますが、30歳代、40歳代や女性にも増えています。

 ■自覚症状はありますか?
 初期は無症状ですが、がんが大きくなるにつれて、血便が出たり便が細くなる、残便感、便秘と下痢の繰り返しなどが見られ始め、進行すると腸閉塞(へいそく)や下血なども現れます。そうなる前に検診などで早期に見つけることが必要です。検診は基本的に便潜血検査で、詳しく調べるために内視鏡検査と組み合わせます。内視鏡検査は、大腸がんの発生が最も多いS状結腸と直腸を調べるS状結腸内視鏡検査、大腸すべてをまんべんなく観察できる全大腸内視鏡検査があります。

 ■検査が不安との声も聞きますが。
 検査の痛みには個人差があり、不安な方には鎮静剤を使うと眠っているうちに終了することもあります。ただ、どうしても受診者の不安や苦痛が大きかったり、内視鏡が大腸の奥まで入らなかったり、まれに出血や穿孔(せんこう)、ショックなどの合併症が起こる場合もあります。そこで今、注目されているのがCT大腸がん検査です。内視鏡検査に比べて短時間で済む上、体への負担が少ない、内視鏡に近い画像が得られるなどのメリットがあるので、今後の導入が期待されています。

 ■日常生活での注意点は?
 食事は脂肪食を控え、食物繊維を多く含んだメニューを心がけて下さい。便秘解消のためには、日ごろの適度な運動も必要です。大腸がんは早期に発見すれば高い確率で完治できるので、決して怖いがんではありません。定期的に検診を受け、思い当たる症状があれば、すぐに医療機関で受診してください。



 
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