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慈恵病院産婦人科医師
蓮田 健氏
九州大学医学部卒業
九州大学付属病院、国立病院九州医療センターなどで産婦人科勤務 |
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「子宮脱(しきゅうだつ)」という言葉、あまり聞いたことはないかもしれません。しかし、一般の認識以上にたくさんの女性が悩まされている病気なのだそうです。恥ずかしいという理由から、受診せずに一人で悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。新しい手術法も取り入れられつつあるそうです。まずは病気のことや治療法を理解しましょう。 |
■意外に悩んでいる女性が多いという子宮脱ですが、どのような病気なのでしょうか。 |
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子宮脱とは子宮を支えている靱帯や筋肉が緩んで、その結果、子宮が下がってくる病気です。それに伴って腟、膀胱、直腸など周りの臓器も下がってきます。その原因として次のものが挙げられます。
@分娩の際に骨盤の筋肉や靱帯が損傷したり引き伸ばされたりした結果、これらが弱くなります。
A加齢。若いときには下がってこなかったのに、60代、70代と年齢が上がれば、体の組織に弾力がなくなり、臓器を支えきれなくなります。
Bお腹に力がかかる仕事や生活をなさっている方に比較的多いと言われています。 |
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「何か下がってくる感じがする」とか、「股の間に何か挟まった感じがある」という症状が多いようです。そのほか、「おしっこがもれる」「おしっこが近い」など泌尿器症状をおっしゃる方もいらっしゃいます。痛みを伴うこともありますが、特に症状が出ない人もいます。 |
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治療にはペッサリーと呼ばれる固定器具を用いる方法と、手術があります。手術としては腟の方から子宮を摘出して、さらに伸びきった腟を縫い縮める方法がよく行われていました。しかし最近は、メッシュ手術と呼ばれる方法が導入されつつあります。これは人工的に合成された網を腟壁に縫いつける方法です。この手術の利点は、@手術後の再発率が少ないA体への負担が少ないので、退院が早いB性生活への支障が少ない、などです。新しい手術ですが全国で順次、普及しつつあります。 |
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