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ウィメンズクリニックグリーンヒル院長
西村 宏祐氏
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分娩時の痛みを和らげる「無痛分娩」が注目を集めています。そこで、妊娠中や産後に起こる女性の腰痛と合わせ、妊娠に伴う“痛み”の対処法についてお話を聞きました。 |
■陣痛や出産時の痛みを和らげる無痛分娩とは、いったいどんなものですか? |
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人間の身体は痛みに対して非常に弱いものです。中でも陣痛に伴う痛みは、妊婦さんの睡眠不足や体力消耗を招き、スムーズな出産の妨げにもなります。そうした痛みを取り除くことで、結果として心も身体もリラックスした状態で出産を可能にするのが無痛分娩です。
無痛分娩で用いる麻酔方法のひとつとして、硬膜外麻酔法(背骨の周囲にある硬膜外腔と呼ばれる場所に細いチューブを挿入し、麻酔薬を必要な時に注入)があります。この麻酔法では、へそから足先までの触る感触は残りますが、痛みを感じない状態となります。結果として、出産時には陣痛による子宮収縮はそのままに、しかし陣痛の痛みを感じない状態となり、他は自然分娩と同じです。 |
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自然分娩による出産時の痛みがトラウマになり、2人目や3人目の出産に対して臆病になる方がみられます。無痛分娩は、そうした出産に対する不安感や恐怖心を取り除くのに有効な手段です。また、分娩までの母体の疲労感も少なく、産後、お母さんの身体の回復が早いように感じます。さらに、お母さんがリラックスして出産に臨むことができるので、ご家族も安心して出産に付き添えます。ただし、無痛分娩にもメリット・デメリットがあります。産前に専門医としっかり話し合うことが大切です。 |
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■ところで、妊娠の前後に腰痛になる人が多いと聞いたのですが。 |
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出産前後に起きる腰痛の原因として、レラキシンというホルモンが挙げられます。レラキシンは妊娠に伴い分泌され、身体の関節や骨盤などをやわらかくする作用があります。そのため、身体をささえる腰の負担が増すのです。また、妊娠中の姿勢も一因として考えられます。骨盤が前傾化し、身体の重心が前方移動すること、その反動として体が反り返ることにより、腰への負担が大きくなります。さらに分娩に伴い生じる関節や靭帯のゆるみ、筋力の低下なども腰痛の原因となります。 |
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腰痛を100%防ぐことは不可能です。しかし、腰痛を少しでも軽減するため、現在いくつかの実技運動が推奨されています。10月21日(火)、当院でトレーナーの方による腰痛対策の実技指導を予定しています。興味のある方はご参加ください。 |
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