くまにち メディカルインタビュー
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産科・婦人科最前線 子宮内膜症の治療

2008/7/26掲載
 
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月経痛を経口避妊薬(低用量ピル)で緩和
 
うしじまクリニック
牛島 英隆氏
産科・婦人科うしじまクリニック院長
医学博士
 ひどい月経痛…それは、もしかすると子宮内膜症かもしれません。初期には症状がわかりにくく、治療が遅れがちなこの病気。月経の変化には注意が必要です。

 ■子宮内膜症とはどんな病気ですか。
 子宮内膜とは子宮の内側を覆っている粘膜のことで、受精卵が着床する場所、いわゆる妊娠する場所です。この子宮内膜が何らかの原因で、本来あるべき子宮の内側以外の場所で発生・発育する病気を子宮内膜症と言います。月経困難症(月経痛)のほか、下腹痛、腰痛、排便痛、性交痛などの症状が見られ、放っておくと不妊症の原因にもなります。ただ、治療すれば通常の確率で妊娠することも確認されていますので、早期発見、早期治療が大切です。

 ■子宮内膜症は増加していますか。
 年々増える傾向にあり、特に、卵巣機能が活発な20〜30歳代の女性に多く発症します。はっきりとした原因はわかっていませんが、社会や現代女性のライフスタイルの変化が考えられます。晩婚化にともない妊娠・出産の機会が少なくなり、初経の時期も早まっているため、生涯に経験する月経の回数が以前に比べ非常に多くなっているのです。このような傾向が、子宮内膜症が増加している背景にあるようです。

 ■治療法を教えて下さい。
 薬物療法と手術療法がありますが、まず先に取り組む治療方法は薬物療法です。鎮痛性剤だけで月経痛が緩和されなかったり副作用で胃が荒れたりする方には、低用量ピルの服用を勧めています。今までの低用量ピルは保険適応外だったために、1カ月の薬代に3000円程度の自己負担が必要でした。しかし、今年の6月から保険が適応され、3割の自己負担額で2080円程度になっています。さらに、万一重篤な副作用が起こった場合でも、国の副作用被害救済制度の給付を受けることができます(保険適応のない低用量ピルや個人輸入の製品は対象外)。子宮内膜症の月経困難症で困っている方は一度試してみるとよいでしょう。



 
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