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うしじまクリニック
牛島 英隆氏
産科・婦人科うしじまクリニック院長
医学博士 |
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以前は、30歳以上の初産を高齢初産と定義していましたが、最近では出産年齢の高齢化により35歳以上の初産を指すようになっています。晩婚化により増加しつつある高齢出産。メリットやリスクについて伺いました。 |
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2006年の人口動態統計によると、年間約109万件のお産のうち30歳以上でのお産は約61万件で全体の60%以上になります。さらに35歳以上のお産も約20万件。従って、妊婦の5人に1人は35歳以上での出産を経験していることになります。今では高齢での妊娠・分娩は珍しくありません。 |
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■高齢出産のメリットやリスクについて教えて下さい。 |
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一番のメリットは経済的なゆとりでしょう。また、若いときに比べて知識や経験が豊富ですから、妊娠や育児の情報をうまく利用できるお母さんが増えています。ただし、30歳以上になると妊娠する可能性は急に低下してきます。たとえ妊娠しても、35歳以上39歳までの妊娠は34歳までの妊娠の2倍ほど流産しやすく、40歳以上の妊娠は4倍も流産しやすいとの報告もあります。さらに、ダウン症候群の赤ちゃんの生まれる確率が上昇したり、高血圧や糖尿病などの合併症を持った妊娠、帝王切開の可能性も高くなります。 |
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■では、何歳くらいまで妊娠・出産が可能なのでしょうか。 |
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医学的に考えると、20歳代で一度は妊娠・分娩をしておくことが理想です。しかし、若くても不妊の場合があるように、妊娠の可能性には個人差があり、一概に年齢だけでは断定できません。私の経験した最高齢初産は、46歳のお母さんです。帝王切開でしたが元気な赤ちゃんを産むことができました。高齢出産はデメリットばかりが目立ちますが、人生設計は人それぞれ。このように、高齢出産にあたる年齢の方でも、妊娠から出産までの母体を健全に保ち、元気な赤ちゃんを授かる方がたくさんいらっしゃるのも事実です。 |
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