|
|
|
|
|
|
みわクリニック院長
秋月美和氏
日本外科学会認定専門医
マンモグラフィ検診読影部門認定講師 |
|
|
骨がもろくスカスカになって、骨折しやすい状態になる「骨粗しょう症」。男性より女性に多く、高齢化社会とともに患者数は増えているそうです。骨粗しょう症の原因や予防法、また乳がん治療薬との関係などについて聞きました。 |
|
もともと女性は男性に比べて骨量が少なく、その上、閉経後の女性ホルモン(エストロゲン)との関わりが骨量減少に影響します。骨量は20歳頃ピークに達し、30歳代から徐々に減少しますが、閉経によってエストロゲンの分泌が低下すると減少が急速になります。そのため、骨粗しょう症になりやすくなり、同時に骨折を発症する頻度も増します。60歳代後半から患者数は急増し、70歳代女性の25%、80歳代では43%の女性が骨粗しょう症というデータもあります。骨粗しょう症になると背中や腰に痛みを感じ、最悪の場合は圧迫骨折や大腿骨骨折を起こし、寝たきりになる可能性もあります。更年期を過ぎた女性は、定期的な骨密度検査をおすすめします。 |
|
|
■骨粗しょう症の診断は、どのようにして行われますか? |
|
まず骨密度を測定します。レントゲン検査のようなもので、痛みはありません。手や腕、踵骨で測る方法もありますが、より正しい診断には腰椎や大腿骨頚部で測る方法が最適とされています。また従来、骨粗しょう症は骨密度を中心に判断していましたが、最近では年齢や既存骨折の有無、骨代謝回転の増加などを含めて総合的に判断するようになってきました。骨代謝とは、骨の吸収と形成の繰り返しのことで、そのバランスが崩れていないかどうかは血液や尿で調べることができます。 |
|
|
■骨粗しょう症にならないために気を付けなければいけないことは? |
|
バランスのとれた栄養摂取や適度な運動などが大切です。しかし、骨密度が減っている状態での過度な運動は、逆に疲労骨折を起こすこともあるので注意しましょう。また、骨を形成する若い時期に無理なダイエットをすると、将来骨粗しょう症になりやすいと言われています。 |
|
|
■乳がんの治療で骨粗しょう症になりやすくなることがあると聞きましたが、本当ですか? |
|
閉経後、ホルモン感受性乳がんの標準治療として使われるアロマターゼ阻害剤という薬は、乳がんの餌となるエストロゲンの血中レベルを下げるため、骨密度は減少します。この治療をしている人は特に、主治医と相談しながら定期的に検査を受けられることをおすすめしています。 |
|
|
|
|
|
|
|