くまにち メディカルインタビュー
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産科・婦人科最前線 不妊症治療

2007/3/24掲載
 
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ソフィアレディースクリニック水道町
岩政 仁氏
熊本大学医学部大学院博士課程卒
日本産科婦人科学会専門医
日本生殖医学会生殖医療指導医
 赤ちゃんが欲しいけれど、なかなかその兆候が見られない。女性の晩婚化や少子化など、社会の変化に伴い「不妊症」が増えているといいます。治療法の詳細についてお尋ねしました。

 ■不妊症とは、具体的にどういう場合に診断されるのでしょうか?
 一般的には妊娠を希望しているにもかかわらず、避妊期間を除いて2年以上経っても妊娠しない場合を「不妊症」といいます。妊娠が成立するには、運動性が良好な数多くの精子が女性の膣に入り、頸管粘液内で活性化して卵管まで上昇。同時期に排卵された卵を卵管が拾い上げ、受精の場を提供し、受精卵を育てながら子宮方向へ運びます。十分な黄体ホルモンの分泌が子宮内膜を着床できる内膜へと育み、そこへ受精卵が着床して妊娠が成立します。 以上の過程がすべてうまく運ばなければ、妊娠は成立しません。つまり、そのどれが欠如しても、不妊の原因になるのです。

 ■検査や治療は?
 まず、排卵しているか?元気な精子はたくさんいるのか?など、妊娠成立過程のどこが欠けているのかを、きちんと検査します。原因は一つではなく、複数ある場合もあります。その原因を解決するよう、お手伝いさせていただくのが不妊治療となります。治療では、排卵がない場合は排卵誘発剤を使用、精子が少ない場合は人工授精や程度によっては体外受精・顕微授精を行います。さらに卵管の状態によって、手術や体外受精が必要となります。このように、治療についてはかなりの問題に対応できるようになりました。

 ■不妊治療は著しく進歩しているんですね。
 そうですね。ただ、現在でも対応が困難とされるのは、年齢による卵の質の低下です。特に35歳を越えると、妊娠できる可能性はどんどん下がっていきます。そのため、早めに高度な治療に移ることもあります。30代で不妊症を心配していらっしゃる方などは、早めの受診をお勧めします。不妊症治療を始めたからといって、すぐに妊娠するわけではありません。自分の体のことをよく知り、焦らず、あきらめず、治療に取り組むことが大切です。詳しくは専門医にご相談ください。 ■不妊症教室 4月1日午後から開催。参加費無料。※詳細は【電話】096(322)2996へ



 
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