|
|
|
|
|
|
行徳形成外科院長
行徳 博英氏
日本形成外科学会認定医 |
|
|
汗ばむ季節が来ると、自分のにおいも他人のにおいも気になります。さまざまな制汗剤はありますが、効果は一時的なもの。根治治療である手術について聞きました。 |
|
腋臭(わきが)と多汗症があり、多汗症の場合はエクリン汗腺、腋臭ではアポクリン腺の機能が過度に進んだことで起こります。腋臭のにおいは薄めると良い香りになり、外国では肯定的にとらえたりしますが、高温多湿で清潔志向の強い日本では悩む方が多いようです。 |
|
|
|
遺伝性の体質で、両親のどちらかが腋臭だと80%近い確率で子供に現れます。また、耳あかの軟らかい人の79%に腋臭があります。発症は思春期以降で中年期まで現れ、月経時に増強します。臭気の原因は、分泌されたアポクリン汗が皮膚表面に存在するブドウ状球菌などにより化学変化し、脂肪酸エステルが酸化、分解されたことで起こります。
|
|
|
|
非外科的治療と外科的治療があります。前者は、抗菌剤を含む石けんでの洗浄や制汗剤の外用、ボツリヌス菌毒素Aの注射、脱毛など、方法はさまざまです。しかし、効果が一時的だったり、煩雑な割に効果が弱いなどの欠点があります。根治するには外科的治療が必要になりますね。 |
|
|
|
マイクロシェーバー法という、先端のごく細い医療器具を用いて汗腺層を剪除する方法があります。手術はまず、わきの下の皮膚を2カ所小さく切開し、先端器具を挿入しやすいよう真皮と皮下組織を剥離します。次に器具を挿入し汗腺層を切除します。手術時間は約1時間。局所麻酔で行うため痛みはほとんど感じず、5ミリ程度の傷が二つあるだけです。多汗症も同じ手術で対応できます。 |
|
|
|
術後3日間は安静にし、1週間後に抜糸します。その間、皮膚が硬くならないようクリームを塗り、入浴時は手術した部分を濡らさないようにします。手術直後は皮膚表面に赤みがありますが、数日から2週間で消失し、傷跡も目立たなくなります。術後1〜2カ月の間に数回の通院で治療が終わります。 |
|
|
|
|
|
|
|