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子宮や膣が下がってくる「骨盤臓器脱」 再発の少ないメッシュ手術で症状改善へ |
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慈恵病院産婦人科医師
蓮田 健氏
九州大学医学部卒業
九州大学付属病院、国立病院九州医療センターなどで産婦人科勤務 |
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出産や加齢が主な原因とされる「骨盤臓器脱」。子宮や膣が下がってくる病気で、直接命に関わる病気ではないことと、恥ずかしさから、受診をためらう人が少なくないそうです。詳しく話を聞きました。 |
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子宮を支えている筋肉や靱帯(じんたい)が緩むことで、子宮、膣、膀胱(ぼうこう)、腸などが下がってきます。以前は「子宮脱」「膣脱」「膀胱脱」などと呼ばれていました。初めに表れる症状としては、陰部に違和感が生じる程度です。しかし進行するうちに、「股間に何かが挟まっている気がする」「ピンポン玉のような丸いものが出てきた」といった、突出感を覚えるようになります。さらに症状が進むと、テニスボールサイズの肉の塊が、常に股間に挟まっているような感覚になります。このレベルになると、歩くことに支障を来し、外出するのもおっくうになってしまいます。また、膀胱が下がってくると「尿が出にくい、近い、漏れる」といった泌尿器症状や、便秘の症状を伴うケースもあります。 |
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はい。ただ、性器の病気ということもあり、「他人に相談しづらい」「受診するのが恥ずかしい」という方が多くいらっしゃるようです。我慢した結果、重症化してしまうことも珍しくありません。「骨盤臓器脱」は、出産や加齢のほか、おなかに力がかかる作業をする方や肥満・便秘がちな方、呼吸器疾患により慢性的に咳をする方などにも生じやすいといわれているので、少しでも違和感を感じたら、早めに受診し、相談されることをお勧めします。 |
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軽症の場合は、「骨盤底筋体操」や薬などで治療します。重症なら手術が必要です。現在、日本で最も浸透しているのが「子宮全摘手術」と「膣壁形成術」を組み合わせた治療法です。この手術では子宮を全部摘出した上で、膣を縫い始めます。手術時間は1時間半〜2時間程度、術後10日ほどで退院できます。多くの場合この手術で治るのですが、一部の方は再発してしまうこともあります。 |
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「TVM手術(メッシュ手術)」という治療法があります。メッシュと呼ばれる網状の素材を膣の裏に挿入し、子宮や膣の周りの緩んだ筋肉を補強することで、子宮や膣が下がってこなくなります。そのほかにも、多くの治療法があります。症状を軽減・除去する効果は共通しているので、患者さんの進行度や体調に合った手術法を選択することが望ましいでしょう。詳しくは専門医にご相談ください。 |
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