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内科編

2017/4/21掲載
 
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体の不調は遅延型アレルギーや有害重金属が原因かも 正しい検査とキレーションで自分の体を把握し改善へ
 
グレースメディカルクリニック 院長
伊藤 信久氏
食物アレルギーの一種に、症状が遅れて発症する遅延型アレルギーがあります。先天的なものやストレスが原因と思われているさまざまな疾患は、この遅延型アレルギーだったり、体内の有害重金属によって引き起こされたりしている可能性もあるそうです。検査方法など詳しく話を聞きました。

 ■遅延型アレルギーとは。
 食物アレルギーには主に「IgE依存性過敏性アレルギー性反応(即時型アレルギー)」と「非IgE依存性過敏性アレルギー性反応(遅延型アレルギー)」の2通りがあります。即時型アレルギーは、原因となる食物を口にしてから数秒〜数時間でアレルギー性ぜんそく、口腔アレルギー症候群、アトピー性皮膚炎などが起こります。発症が早いため、食物と症状の関連性が明確になりやすいのが特徴です。一方、遅延型アレルギーは症状が遅れて発症し、重篤な症状はほとんど現れません。遅延型アレルギーを知らない医師だと、放置されたり、単なる体調不良と診断されたりすることもあります。

 ■遅延型アレルギーの症状とは。
 アトピー性皮膚炎、慢性の下痢、ぜんそく、片頭痛など、関係があるとされる症状は多様にあります。小麦や米など主食となる食べ物がアレルギー源の場合、毎日継続して食べることから症状が続き、「疲れやすい体質だ」「精神的な症状はストレスのせい」と、自分自身も病気であることに気づかないことがあります。

 ■検査について教えてください。
 ごく少量の採血で、96種類もの食品を調べることができます。検査後2〜4週間以内に結果が報告され、アレルギーの原因の食物を特定します。その原因となる食物を一定期間、避けることが治療と考えられていますが、多くの食物に反応が出た場合、栄養バランスを崩すなどの弊害が生じます。原因を特定した上で、過度な食事制限を設けず、腸内環境の改善を図ることが重要です。

 ■体内の有害重金属とは。
 水銀、アルミニウム、カドミウム、ヒ素、鉛などの有害金属が、食事などの日常生活の中で体内に取り込まれるもので、さまざまな症状を引き起こします。中でも水銀による体への影響は大きく、原因不明の体調不良や鬱(うつ)、自閉症なども水銀被ばくが原因であるともされています。特に、糖尿病や動脈硬化と診断された方、魚介類をよく食べる方、妊娠を希望している方は重金属検査を受けることをお勧めします。

 ■検査方法を教えてください。
 重金属検査には、毛髪ミネラル検査とキレーション尿検査の2通りがあります。尿検査は、DMSA(解毒剤)を服用して重金属を排出する治療(キレーション)と並行して行うため、より正確な結果が期待できます。詳細は、専門医に気軽にお尋ねください。



 
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