|
|
子どもの運動発達の遅れは3カ月が目安 将来の機能向上のため早期のリハビリを |
|
|
|
|
熊本託麻台リハビリテーション病院 小児科部長
大谷 宜伸氏
|
|
|
脳性まひやダウン症、発達障害などによる、子どもの運動発達の遅れには、早期からのリハビリテーションが効果的とされています。小児リハビリの内容や、相談のタイミングなどについて聞きました。 |
|
乳幼児期から始めるリハビリテーションです。脳性まひや発達障害、ダウン症あるいは早産などのハイリスク児では、手足の緊張が強すぎたり、逆に低緊張でうまく動かせず不器用なこともあります。歩行などの基本的な動作を獲得できるよう、体のバランスや体幹機能の発達に向けてセラピストが個別にトレーニングを行います。子どもの運動発達の遅れは、早期から適切なリハビリを行うとその子なりの伸びが得られます。 |
|
|
|
基本的な動作の獲得を目的とした理学療法(PT)、認知・情緒面の発達を促す作業療法(OT)、言語発達を目的とした言語聴覚療法(ST)の3分野からアプローチし、子どもが楽しく取り組めるよう、遊びの要素を入れて行います。症状により低年齢なら週1〜2回程度から開始し、自宅でも取り組みながら発達に合わせ月2回程度で就学前をめどに終了します。歩行や日常生活の動作を補助するため、靴や短下肢装具なども必要に応じて作製します。 |
|
|
|
小児リハビリは早期の開始が重要とされています。運動発達の遅れに気付いたとき、それが定型発達と比べてどうなのかで判断します。一つの目安としては「3カ月の遅れ」が相談のタイミング。親子健康手帳に記載されている、寝返りやハイハイ、歩行の時期と比べて3カ月程度の遅れがあれば要注意です。定期的な乳幼児健診で相談し、専門機関を勧められたら受診しましょう。 |
|
|
■「健診で引っかかった」と不安に思う保護者がいると聞きます。 |
|
専門機関への受診を勧められても、不安があるせいか「少し発達が遅いだけ」と受診を後回しにされる保護者がいらっしゃいます。しかし、ハイリスク児やダウン症などで運動面や発達全般の遅れがあれば、早期介入が重要です。健診などで指摘されたら速やかに受診しましょう。また、言語発達の遅れを含め、知的な緩やかさがあれば「療育手帳」を交付してもらえます。これにより、公共機関からの給付や児童発達支援事業への参加など幅広い支援を受けやすくなります。お住まいの市町村の福祉課に相談し取得しましょう。今、小児リハビリが必要な子どもに対して、医師やPT・OT・STなどのセラピスト、心理相談員、あるいは園の保育士、教育機関、自治体の保健師などが連携し、地域で安心して生活できるよう支援の輪が広がっています。心配なさらずにご相談ください。 |
|
|
|
|
|
|
|