くまにち メディカルインタビュー
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皮膚科編

2016/12/23掲載
 
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気づかないうちに重症化する低温やけど 湯たんぽなどは体から離して使用を
 
まるお皮ふ科 院長
丸尾 圭志氏
日本皮膚科学会皮膚科専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
冬は湯たんぽやカイロが手放せないという人が多いのでは? そんなときに注意したいのが低温やけど。普通のやけどと違い、軽く見て放置してしまい重症化する患者さんが多いそう。症状などについて話を聞きました。

 ■低温やけどについて教えてください。普通のやけどとの違いは。
 低温やけどは、暖房器具など低温の熱源に皮膚が長時間触れることで起こるやけどです。熱源が44℃の場合、6時間以上接触すると起こるといわれていて、温度が上がるほど短い時間で引き起こされます。表皮だけが損傷する普通のやけどと違い、長時間触れることで皮膚深くの脂肪層まで熱が到達し損傷してしまいます。そのため、表面はただの水ぶくれに見えたとしても、皮下は重症化していることが多いのが特徴です。うっかり放置してしまうと脂肪層の血流が途絶え、壊死(えし)することもあります。

 ■どのような治療法がありますか。
 一般的なやけどの対処法は、まず患部を冷やすことですが、低温やけどにはあまり効果がありません。また、特化した薬もないので、化膿(かのう)したり、細菌が入ったりしないように患部を保護しながら、自然に回復するのを待ちます。ひどいときは治るのに2カ月〜半年かかることもあり、さらに重症の場合は、手術をすることもあります。低温やけどをしてしまったら、見た目がひどくなかったり、痛みが少なかったりしても、速やかに専門医の診察を受けましょう。悪化するとその分、治療が長引くので、自己判断は禁物です。

 ■どんなことに気をつけるとよいですか。
 湯たんぽや電気あんかを足元に置いたまま寝てしまい、足に低温やけどを負ったという方が非常に多く見られます。低温であるため、熱さに気づかないのです。使用する際は肌に触れないよう、体から少し離してください。貼るタイプのカイロを使う場合は、厚手の洋服の上から貼るようにしてください。いずれにせよ、ある程度肌から離して使うことが大切です。また、糖尿病を患っている方は足先の感覚が鈍く、発覚したときにはひどいやけどになっていることがあります。お年寄りやお子さんが使用するときなども含めて、家族の方が注意してあげてください。



 
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