くまにち メディカルインタビュー
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皮膚科編

2016/11/25掲載
 
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水仕事などが原因で慢性化する手荒れ 改善しても油断せず、継続的なケアを
 
まるお皮ふ科 院長
丸尾 圭志氏
日本皮膚科学会皮膚科専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
水仕事が多い主婦や美容師などによく見られる手荒れは、冬に悪化しやすく、これからの時季は特に注意が必要です。症状や予防法などについて専門医に聞きました。

 ■手荒れとは、どんな病気ですか。
 進行性指掌角皮症(しんこうせいししょうかくひしょう)いわゆる手荒れは、指先や手のひらに繰り返し刺激が加わり、皮膚の水分が失われて起こる病気です。最初は、主に利き手の指先から乾燥が始まり、皮膚の剥落(はくらく)が見られます。進行すると、症状が手のひら全体に広がり、赤みやかゆみが出て、炎症も起こります。

 ■手荒れを引き起こす原因は。
 例えば、せっけんや薬品などを使って水仕事をしたり、頻繁に手を洗ったりすることです。必要以上に皮脂や水分を奪われることになり、うるおいも減ります。その結果、皮膚の角質細胞が剥がれ、かゆみなどの症状につながります。主婦や美容師、飲食業、介護職の方によく見られ、慢性化することもあります。職業病のようなものともいえるでしょう。

 ■手荒れになってしまったら、どうすればよいですか。
 指先が乾燥する、硬くなるといった初期の段階では、市販の保湿クリームを小まめに塗ることで進行を防げます。保湿クリームは、特に手を洗った後に塗ると効果的です。手のひら全体に赤みが出るようになってしまったら、放置せず、早めに専門医にご相談ください。症状に応じて、医薬品の保湿クリームや、かゆみ・赤みを抑える塗り薬、飲み薬などを処方します。ほとんどの場合は刺激が減ると症状が改善しますが、生活や仕事をする上で刺激を取り除くことは難しく、完治までに時間を要する患者さんが多いのが現状です。症状が軽くなったからといって油断せず、根気よく治療を続けることが大切です。

 ■予防法はありますか。
 保湿クリームを小まめに塗り、手を洗いすぎないことです。また、水仕事のときに木綿の手袋の上にゴム手袋を重ねて着用し、手に掛かる負担を減らすことも重要です。冬は空気が乾燥するだけでなく、手からの汗の分泌が減って、うるおいが少なくなります。「ただの手荒れ」と侮らず、スキンケアを続けましょう。



 
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