くまにち メディカルインタビュー
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眼科編

2016/11/25掲載
 
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急増しているアレルギー性結膜炎 通年性のハウスダストが原因物質
 
岩上眼科 院長
岩上 英一氏
アレルギー性結膜炎で目のかゆみや充血、腫れに悩む人が増えています。春先の花粉といった季節性だけでなく、通年性の原因物質で発症する場合は特に厄介です。症状や治療法を専門医に聞きました。

 ■アレルギー性結膜炎とは。
 アレルゲン(アレルギーを引き起こす原因物質)としては春先の花粉などがよく知られていますが、近年急増しているのは住まいの中のほこりやダニ、カビ、ペットの毛、フケといったハウスダストです。これらが結膜にくっつくと結膜炎になるのですが、鼻の粘膜なら鼻炎、吸い込めば気管支ぜんそく、とさまざまな症状を引き起こします。特に結膜は外からの刺激や異物にさらされやすい組織で、涙などでぬれているため花粉やハウスダストが付着しやすく、アレルギーが起こりやすいのです。また、花粉は季節性のアレルゲンですが、通年性のハウスダストは一年中、症状を引き起こす可能性があるので厄介です。

 ■どのような仕組みで発症し、どんな症状が出ますか。
 人間には外部から侵入した異物に対し、抗体を作って排除しようとする免疫機能があります。本来プラスに働くはずのこの作用が、マイナスに働くのがアレルギーです。まず、アレルゲンが涙を介して結膜に侵入すると、肥満細胞からヒスタミンなどのメディエーター(アレルギー症状を引き起こす物質)が放出されます。これが結膜表面の神経を刺激してかゆみを引き起こし、血管に作用すると充血したり、目が腫れたりするのです。

 ■どのような治療法がありますか。
 よく使われるのは抗アレルギー点眼薬で、2種類あります。かゆみが強い場合はヒスタミンの作用を直接阻止するヒスタミンH1受容体拮抗(きっこう)薬を処方し、ヒスタミンなどを増やさないようにしたい場合はメディエーター遊離抑制薬を用いますが、両方の作用を備えた薬もあります。抗アレルギー点眼薬は比較的副作用が少ないので、継続して使用するのが効果的です。医師の指示を守り、勝手に中断しないようにしてください。また、重症のケースにはステロイド点眼薬を使用します。この薬は強い効き目を持ちますが、副作用があるので医師の指示に従ってください。

 ■生活上の注意点はありますか。
 季節性の花粉などの場合は、症状が出始める2週間ほど前から点眼を開始する初期治療が有効です。ハウスダスト対策では、小まめに掃除する、風通しを良くしてダニやカビを増やさない、エアコンのフィルターをきれいにする、布団を天日干しし、枕カバーやシーツを洗濯する、ダニの温床となるぬいぐるみ、布製ソファ、じゅうたんなどを置かないといったことを心掛けてください。



 
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