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神経内科編

2016/7/1掲載
 
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いびきの原因となる睡眠時無呼吸症候群 生活習慣病にかかるリスクも拡大
 
医療法人社団 知新会 西村内科脳神経外科病院 医師
山川 孝氏
睡眠中に、無呼吸を繰り返す睡眠時無呼吸症候群。睡眠時間は確保しているのに、目覚めが悪かったり、注意力が散漫になるほか、生活習慣病にかかるリスクも高まるそう。症状や治療法について専門医に聞きました。

 ■睡眠時無呼吸症候群とはどのような状態をいうのですか。
 医学的には、睡眠中に10秒以上の呼吸停止を、一晩7時間の間に30回以上、1時間に5回以上起こすものをいいます。中には、1時間に40〜50回繰り返す人もおり、1回の呼吸停止で1分以上停止する場合もあります。無呼吸の間は、体に十分な酸素が行き渡らず酸欠状態になり、血圧も上昇します。このような状態が続くと、生活に支障を来すだけでなく、場合によっては脳出血などを引き起こす恐れがあります。また、強い眠気から交通事故を起こす危険もあるので注意が必要です。

 ■どのような人が発症しやすいのですか。
 首に脂肪が増加している肥満の人、首が太くて短い人、顎が小さい人のほか、扁桃腺肥大、鼻に構造的な問題を抱えている人などに起こりやすいようです。確かに、肥満の人からの相談は多いですが、最近では肥満でない人でも起こることが分かっています。

 ■特徴的な症状は。
 空気の通り道の上気道が狭くなるため、いびきの原因にもなります。また、寝ているつもりでも、脳が起きているため、朝起きた時に疲れが残っている、気分が悪い、夜中に頭痛が起こる、昼間に強い眠気に襲われる─などの症状のほか、場合によっては集中力や記憶力が低下することもあります。物忘れが多くなることで、認知症と誤解されることもあります。また、生活習慣病のリスクは、正常な人と比較すると、高血圧は2倍、糖尿病は1・5倍、脳卒中は4倍、心臓疾患は3倍になるといわれています。

 ■検査や治療法は。
 問診後、自宅でできる簡単な検査を行います。睡眠時に、鼻と口、指先などにセンサーを付けるもので、一日で診断がつきます。症状が深刻な人には精密検査を行います。といっても、この検査も夕方病院に来てもらい、脳波、呼吸状態、動脈血酸素飽和度などを調べるもので、1泊入院で翌朝には帰宅できます。この検査で治療が必要な人には、睡眠時に鼻に付ける専用のマスクを貸し出します。軽度の場合は、マウスピースを使う治療法もありますので、詳しくは専門医にご相談ください。



 
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