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産科・婦人科編

2016/5/20掲載
 
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「歯周病」も早産の原因の一つ 妊娠中はささいな変化も見逃さないで
 
うしじまクリニック
牛島 英隆氏
産科・婦人科うしじまクリニック院長
医学博士
早産の赤ちゃんは体重が少なく、循環器系や呼吸器系も未熟な状態で生まれてきます。そのため、脳に障害が残ったり、目が見えなかったりとさまざまな病気になる可能性が高いそうです。早産予防について聞きました。

 ■早産を防ぐために、具体的に何ができますか。
 まずは、歯周病の予防が挙げられます。歯周病は、歯肉の炎症による出血・腫れを特徴とする「歯肉炎」と、歯周病菌により歯を支える骨が壊される「歯周炎」とに分けられます。初期症状がほとんどなく、気が付いた時には進行しているという場合が多いです。歯周病になると、血液中にサイトカインと呼ばれる情報伝達物質が増えます。妊婦さんの体内で血中サイトカインの濃度が高まると、子宮の筋肉収縮を始めるスイッチが入ってしまうため、早産を引き起こします。妊婦さんはつわりなどもあり、口腔ケアがおろそかになりがちです。妊娠したら歯科検診を早めに受けて、歯周病予防を心掛けてください。

 ■その他の早産の原因は。
 赤ちゃんを包む膜が、細菌により炎症を起こす「絨毛膜羊膜炎」も早産の原因の一つです。この場合、細菌性膣症になっている妊婦さんに対し、抗菌剤を投与することで予防が期待できます。また、子宮頸管(産道)の長さの計測も重要です。3p以下になってきたり、子宮頸管が開いてくちばし状になってきたときは、破水して早産しやすいので気を付けなければなりません。赤ちゃんのために、早産予防はとても大切です。日頃から妊娠経過に注意を払い、歯痛、おりものの量や子宮収縮回数の増加があれば、主治医に伝えましょう。また、喫煙も早産の原因となりますので、妊娠中は必ず禁煙をしてください。



 
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