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神経内科編

2016/3/4掲載
 
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腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症などが原因 足に痛みやしびれを伴う間欠性跛行(かんけつせいはこう)
 
西村内科脳神経外科病院 医師
長野 祐史 氏
腰や足に痛みやしびれなどが起こり、一度に長い距離を歩けない間欠性跛行。腰部脊柱管狭窄症や閉塞性動脈硬化症(ASO)が原因で起こるといわれています。症状や予防法などについて聞きました。

 ■「間欠性跛行」とはどのようなものですか。
 腰や下肢に痛みやしびれ、こわばり、つっぱり感などが生じて歩けなくなり、少し休むとまた歩けるようになります。患者さんによっては、「足に鉛が入ったようなだるさを感じる」という人もいます。軽症だと10分以上歩けますが、重症になると1〜2分歩くとすぐに痛みやしびれで歩けなくなってしまいます。

 ■原因は。
 まず考えられるのが、腰部脊柱管狭窄症によるものです。背骨の腰の部分を腰椎といい、その中に脊柱管と呼ばれる空間があります。この脊柱管が狭窄する病気を腰部脊柱管狭窄症といいます。また、加齢とともに椎間板がつぶれやすくなったり、骨の一部が突出して骨棘(きょく)という構造物が形成されたりすることがあります。これが変形性腰椎症と呼ばれるもので、進行すると腰椎がゆがみ、脊柱管狭窄症になります。脊柱管狭窄症になると、脊髄やそこから分岐した神経、またその神経を養う血管が圧迫され、痛みやしびれ、間欠性跛行などの症状が現れます。進行すると、足が動かなくなったり、失禁したりすることもあります。

 ■このほかにも原因となるものがありますか。
 糖尿病や脂質異常症などの患者に多く認められる、閉塞性動脈硬化症があります。足の動脈の内側の壁に脂肪などが沈着し、さらにマクロファージといった血液の成分などが入り込んで厚くなることで、内腔が狭くなり、血液が流れにくくなるというものです。症状の程度により治療方針を決定しますが、軽症なら対症療法が一般的です。重症の場合は、整形外科や血管外科と連携を取りながら治療を進めます。

 ■予防法は。
 腰部脊柱管狭窄症の場合は、脊柱への負担を少なくするため、腹筋を鍛えることや、無理をしない程度のウオーキングが有効です。閉塞性動脈硬化の場合は、生活習慣の改善が第一です。食事療法と併せ、禁煙、軽い運動を心掛けましょう。



 
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