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産科・婦人科編

2016/1/22掲載
 
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望まれるパルスオキシメーターの活用 赤ちゃんの心肺疾患の早期発見に
 
うしじまクリニック
牛島 英隆氏
産科・婦人科うしじまクリニック院長
医学博士
皮膚に付けるだけで、血液中の酸素濃度を計測できる「パルスオキシメーター(経皮的酸素濃度計)」。この機器を活用することで、赤ちゃんの心肺疾患をいち早く発見できるようになったそうです。専門医に聞きました。

 ■パルスオキシメーターは、新生児にどのように用いられるのですか。
 生まれたばかりの赤ちゃんは、正常でも呼吸がうまくいかない時期があります。そのほとんどは一過性の呼吸障害で、時間の経過とともにうまく呼吸できるようになります。しかし、心拍数や呼吸数、血圧といったバイタルサインの観察だけでは、器質的な異常があるかどうか、機能的な異常があり治療が必要かどうかまでは診断できません。パルスオキシメーターによるスクリーニング(診断を進めるための初期段階の検査)では、新生児専門医による治療が必要かどうかを、ある程度判断できるようになりました。

 ■具体的に教えてください。
 生後24〜48時間以内に、赤ちゃんの右手とどちらかの足の経皮的酸素濃度を測定します。右手または足の酸素濃度が95%以上で、かつ足の酸素濃度との差が3%以下であれば正常です。酸素濃度が90%以下、あるいは酸素濃度が94%以下で足との酸素濃度の差が3%以上の場合は、NICU(新生児集中医療施設)などでの精密検査が必要となります。新生児の呼吸不全は、心臓循環器系や呼吸器系の先天的な異常も含めてさまざまな疾患があります。出生直後からの呼吸循環状態の観察とともに、パルスオキシメーターでの24〜48時間以内の観察が重要です。最近ではパルスオキシメーターの機器自体が購入しやすくなり、多くの産婦人科で計測できるようになりました。心肺疾患を早期発見するために、より広く活用されることが望まれます。



 
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