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かみ合わせで変わる脳への刺激は歯のバランス整え、認知症予防へ |
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添島歯科医院副院長
坂口 倫章氏
厚生労働省指定臨床研修指導医
日本歯周病学会認定歯周病専門医 |
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失った歯をそのままにしておくと、脳の働きに影響することが最近の研究で明らかになってきました。失った歯を補うだけの治療ではなく、かみ合わせのバランスを整えることが重要だそうです。治療法について聞きました。 |
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一番多いのは歯周病によるものです。40歳以上の人の約8割は、歯周病に罹患(りかん)しており、その歯周病がさまざまな病気に関連しているといわれています。例えば、動脈硬化や肺炎、糖尿病などを引き起こすことがあるほか、骨粗しょう症、肥満などの悪化、低体重児出産につながることもあります。また、おいしいものを食べられない、発音しづらいというだけでなく、嚥下(えんげ)機能も低下します。歯の残存数と脳の働きとの関係についてはさまざまな研究が進んでおり、神奈川歯科大学の研究では、歯が20本以上残っている人に比べ、歯がない人の認知症リスクは1・9倍という数字が出ています。東北大学の研究においても、残っている歯の数が少ない人ほど、記憶や学習能力に関わる海馬や、意思・思考の機能に関係する前頭葉の容積が少なくなっていたと報告されています。 |
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■いかに自分の歯を失わずにいられるかは重要ですね。 |
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どれだけ多くの歯が残っているかで、将来的な生活の質も変わります。歯の喪失を防ぐためにも、定期検診をお勧めします。また、残存歯数が少ない人が入れ歯やブリッジ、インプラントなどの治療を行うことは、認知症の予防という観点からも有効です。インプラントが一般的になってきましたが、全てをインプラントにすればよいというわけではありません。多数のインプラントを入れる場合は、体力や経済的負担などを総合的に考える必要があります。 |
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■インプラントと入れ歯を組み合わせる治療法もあると聞きます。 |
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部分的な入れ歯とインプラントを組み合わせ、最大の効果を引き出す治療法です。かみ合わせのバランスが悪いと、転倒骨折しやすくなることもあるため、なくなった歯を補うことはもちろん、入れた歯によって、かみ合わせのひずみがないよう細かく調整することが重要です。これにより、頭痛や腰痛、全身症状が改善した患者さんもいます。まずは専門医と相談しながら、治療法を選ばれることをお勧めします。 |
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