くまにち メディカルインタビュー
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皮膚科編

2015/11/6掲載
 
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秋冬に悪化する皮脂欠乏症(乾皮症) かゆみがひどくなる前に早めの治療を
 
のぐち皮ふ科院長
野口 博光氏
医学博士。皮膚科専門医。 1990年防衛医大卒。自衛隊熊本病院、熊本大・大学院を経て、のぐち皮ふ科院長。
空気が乾燥する秋冬は、肌が乾燥して荒れやすくなります。夜になるとかゆみが強くなり、つい掻(か)いて余計ひどくなる─、こんな悩みを抱えている人は意外に多いそうです。皮脂欠乏症について聞きました。

 ■皮脂欠乏症はどんな病気ですか。
 皮脂欠乏症は乾皮症とも呼ばれ、皮膚の表面にある皮脂が減少することで皮膚の水分も失われ、乾燥する病気です。皮膚の潤い、つまり水分量は皮脂、天然保湿因子、角質細胞間脂質の3つの物質で一定に保たれています。しかし、加齢などの原因でこれらの物質が減少すると、皮膚がひどく乾燥して角質細胞が剥がれ、そのすき間から水分が逃げやすい状態になってしまいます。

 ■かゆみを訴える人も多いようですが…。
 皮脂欠乏症の初期は、乾燥と角質の剥がれが見られ、かゆみを伴います。進行すると、亀の甲らのように皮膚がひび割れ、わずかに赤みも生じてきて、かゆみが強くなってきます。さらに進行すると、皮脂欠乏性湿疹に至り、かゆみがひどく夜中に目が覚めるほどになります。放っておくと、症状がますます悪化するため、早めの治療が大切です。

 ■皮脂欠乏症になりやすい人は?
 程度の差はありますが、誰でも加齢とともに皮膚の乾燥が生じてきます。女性のほうが男性より若干、早い世代から起こってくるようです。また、空気が乾燥してくる秋から冬にかけて症状が出て真冬にひどくなるものの、夏には症状が軽くなったり、治ったりすることもあります。皮脂を取り過ぎないことが大切で、長風呂やナイロンタオルなどでのこすり過ぎは要注意です。入浴剤も、種類によっては症状が悪化する場合があります。

 ■治療について教えてください。
 皮膚に潤いを与える塗り薬、かゆみや湿疹を抑える塗り薬、飲み薬などを処方します。薬は医師の指示を守って正しく使うことが大事です。また、日ごろの注意点として、部屋の乾燥に注意する、患部をできるだけ掻かないようにする、肌着類はなるべく皮膚への刺激が少ない木綿を選ぶ、アルコールや香辛料など刺激物の摂取は控えめにする─、などに気を付けてください。



 
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