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早期発見が大事な「肺がん」 PETとCTの融合画像で正確な診断を |
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国立がん研究センターの「2015年のがん罹患数、死亡数予測」では、肺がんによる死亡数は男性1位、女性2位、男女合わせた総数は1位で、2位の大腸がんを大きく上回っています。肺がんの特徴や早期発見のために大切な検査について聞きました。 |
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空気が通る気管、気管支、肺胞までの細胞に発生するがんを肺がんといいます。罹患(りかん)率と死亡率は、ともに40歳代後半から増加し、高齢になるほど高くなります。罹患数と死亡数に大きな差がないというデータが、肺がん罹患者の生存率が低いことを示しています。症状としては、頑固な咳や血痰、息切れ、胸や背中の痛み、声のかすれなどが一般に知られています。しかし、がんの種類や位置、広がり方によって症状は異なります。これらの自覚症状による受診で発見された場合の約半数が、リンパ節をはじめ、さまざまな臓器に転移しているといわれ、これが肺がんの治療を難しくしています。また、肺の末梢に発生するタイプの肺がんは、がんが大きくなるまで無症状の場合が多いため、注意が必要です。 |
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肺は面積が広いので、早期に発見できれば、悪性腫瘍を完全に取り去り、治癒することも可能です。それだけに、検査を受けることが早期発見に向けてとても大事です。一般的な検査方法は胸部X線写真と、痰の中にがん細胞がないか調べる喀痰(かくたん)細胞診ですが、この検査だけでは早期発見が難しいこともあります。胸部CT検査やPET検査と組み合わせることによって、より正確に診断できます。 |
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PET検査は特殊なものを除けば、小さながんを発見しやすく、一方、CT検査はがんの形や大きさを映し出すことができます。そこで、その融合画像で診断すると、より精度の高い検査結果を得られます。また、細胞の活動状態を見ることができるPET検査は、がんの転移診断や治療後の再発診断にも有効です。 |
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■最後に、肺がんと喫煙の関係について教えてください。 |
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肺がんのリスクとして喫煙の影響が指摘されています。たばこの煙には細胞を傷つける多くの発がん物質が含まれており、長い時間を経て細胞ががん化します。ですから、たばこを多く吸う人、喫煙開始年齢が早く、長期間喫煙している人ほどリスクが高くなります。また、他人が吸ったたばこの煙を吸う受動喫煙による害もかなり大きいことが分かっています。喫煙する人は、その習慣を見直すとともに、特に検査を怠らないようにしてほしいですね。 |
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