くまにち メディカルインタビュー
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皮膚科編

2015/10/2掲載
 
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根治しにくい乾癬(かんせん)の治療に高い効果 有害な波長を除いた光線を直接照射
 
のぐち皮ふ科院長
野口 博光氏
医学博士。皮膚科専門医。 1990年防衛医大卒。自衛隊熊本病院、熊本大・大学院を経て、のぐち皮ふ科院長。
肌が乾燥してくる秋口から冬にかけて悪化する乾癬(かんせん)。根治しにくい病気といわれますが、きちんと治療を続けることで乾癬のない状態を長く保つことができるそうです。乾癬の治療について聞きました。

 ■乾癬とは、どんな病気ですか?
 乾癬は慢性の炎症性角化症で、皮膚から少し盛り上がった赤い発疹(ほっしん)の上に、鱗屑(りんせつ)と呼ばれるフケのような銀白色のアカが付着し、ぽろぽろはがれ落ちる病気です。夏には症状が軽快しますが、肌が乾燥する秋冬に悪化するのが一般的です。うつる病気ではないので温泉やプールに一緒に入っても問題はなく、周囲の人は正しい知識で患者さんに接してください。

 ■乾癬の原因は何でしょうか?
 はっきりとは分かっていません。体質的な要素(遺伝的素因)に、外的因子であるストレスや生活習慣、内的因子の肥満、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などが加わって発症するのではないかと考えられています。

 ■治療について教えてください。
 主な治療法に、(1)塗り薬(2)飲み薬(3)光線療法(4)注射または点滴があります。軽症の場合は塗り薬で軽快しますが、中程度以上ならば、飲み薬や光線療法が併用されます。(4)は大学病院など特定の施設で、重症の患者さんに行われる治療です。

 ■光線療法とは?
 乾癬は日光に当たると改善することが多いのですが、過度な日焼けは皮膚を刺激し、逆に悪化することもあります。そこで、光源ランプを用いて、光線を皮膚や発疹に直接照射するのが光線療法です。中でも、ナローバンドUVB療法は、治療効果の高いUVB(紫外線B波)から有害な波長を除いた光線を照射する方法で、保険も適用されています。

 ■どれくらいで効果が出ますか?
 個人差はありますが、塗り薬を併用しながら週1〜2回の照射で数カ月通院すると、かなり改善されます。乾癬は根治しにくい病気ですが、根気よく治療を続ければ、ほとんど乾癬のない状態が長期間保たれ、生活の質も向上できます。

 ■日ごろの注意点はありますか?
 皮膚をかいたり、お風呂でゴシゴシこすったりすると症状が悪化します。乾癬は命に関わる病気ではありませんが、中には膿疱(のうほう)性乾癬や関節症乾癬など重症化する場合もあり、皮膚科できちんと診断・治療を受けてください。



 
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