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通常のお産が困難な「前置胎盤」 自己血輸血で早めに準備を |
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うしじまクリニック
牛島 英隆氏
産科・婦人科うしじまクリニック院長
医学博士 |
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母親と赤ちゃんをつなぎ、子宮内で赤ちゃんを育てる重要な器官である「胎盤」。この胎盤が通常の位置よりも低く、産道を覆うように形成されてしまう状態を「前置胎盤」というそうです。専門医に詳しく聞きました。 |
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胎盤は、赤ちゃんへ酸素や栄養などを渡し、赤ちゃんからは老廃物を受け取るという大切な役割を担っています。いわゆる「妊娠反応」は、この胎盤の元となる絨毛(じゅうもう)から作り出される、ゴナドトロピンというホルモンの有無で判定されます。絨毛は妊娠16週ごろから胎盤と呼ばれますが、まれに産道を覆うように形成されることがあり、通常のお産ができないことがあります。これを「前置胎盤」と呼びます。 |
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前置胎盤は、産道の入り口を胎盤がどの程度覆っているかで分類されます。内子宮口を覆う胎盤の辺縁から同子宮口までの最短距離が2p以上を「全前置胎盤」、2p未満を「部分前置胎盤」、ほぼ0pの状態を「辺縁前置胎盤」と呼びます。 |
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前置胎盤の場合、お産は帝王切開術となります。子宮の筋肉の中まで胎盤が入り込む「癒着胎盤」を合併していることもあり、その場合は子宮を全て摘出することになるため、手術中の大量出血も予想されます。最近ではこうしたケースに備え、手術前に自分の血液を保存し、その血液を輸血する「自己血輸血」が行われています。自己血輸血であれば、感染症のリスクも回避できます。前置胎盤のため帝王切開になる可能性があれば、自己血輸血ができる設備が整った産婦人科を紹介してもらいましょう。妊娠26週ごろから、胎盤の位置を「経膣超音波検査」で注意深く観察することが重要です。 |
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