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神経内科編

2015/7/3掲載
 
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日常的な立ちくらみやふらつき 原因を早期に発見し、適切な治療を
 
医療法人社団 知新会 西村内科脳神経外科病院
西村 誠一郎氏
日常生活の中で、ふらつきや立ちくらみを感じることがあっても、よくあることと放置していませんか。中には、心筋梗塞や肺塞栓(そくせん)症など重大な病気が原因ということもあるそう。専門医に聞きました。

 ■急に立ち上がった時に、ふらつくという人がいるようですね。
 気が遠くなったり、目の前が真っ白になったりすることがあり、脳の病気を疑って来院する人がいますが、脳の病気ではないことがほとんどです。血圧の急激な低下による脳貧血は、自律神経が未熟な中学生や高校生に多く見られます。ほとんどは、起立性低血圧によるもので、急に立ち上がったり、長く立ったりしている時に、下半身に血液がたまり血圧が低下することによって起こります。時間帯としては、早朝から午前中に症状が強く現れます。午後には改善し、夜には元気になることが多いようです。そのため、怠けていると見られ、不登校の原因になることもあります。家庭では、夜はできるだけ早く就寝し、朝は早く起きるという生活リズムを整え、栄養バランスのとれた食事を心掛けてください。

 ■思春期のお子さんや女性の場合は貧血も多いと聞きますが、それも原因でしょうか。
 血液の薄い貧血症の人や、脳血管の動脈硬化やけいれんにより血液が脳に行き渡らない脳貧血などでもふらつきは起こります。中には、甲状腺の異常など内分泌疾患の場合もありますので、ふらつきや立ちくらみが頻繁に起こる人は、一度検査しておく必要があります。さらに、下痢や嘔吐(おうと)、利尿剤の内服などで身体の水分が減少し、脱水になることで血圧が低下して、ふらつきやめまいが起こる二次性低血圧もあります。暑い日が続く夏場は、発汗が多いのに水分を補えていないことで熱中症になり、ふらつきや意識が低下することがあります。早く対応しないと生命の危険を伴う場合があるので注意が必要です。

 ■このほかにも、同じような症状が起こることがありますか。
 心筋梗塞や大動脈瘤(りゅう)破裂、肺塞栓症などがありますが、この場合は、強い痛みを伴うので、すぐに受診する方がほとんどです。心配なのは、無痛性心筋梗塞や、胃や腸からの出血で血圧が低下し、ふらつきやめまいが起こっているときです。本人は脳貧血だと思い込んでいるため、受診が遅れるケースもあります。あまりに症状が続くため受診してみると、心疾患や悪性腫瘍による出血からのめまいということもあります。よくある立ちくらみや脳貧血と軽く考えず、気になる症状がある場合は、早めに専門医を受診されることをお勧めします。



 
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