くまにち メディカルインタビュー
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皮膚科最前線 伝染性膿痂疹(とびひ)

2005/8/20掲載
 
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うつる皮膚病なので早めの治療を
 
のぐち皮ふ科院長
野口 博光氏
医学博士。皮膚科専門医。 1990年防衛医大卒。自衛隊熊本病院、熊本大・大学院を経て、のぐち皮ふ科院長。
小さなお子さんで「虫さされの跡のかゆみが続き、ジュクジュクしてほかのところにうつった」という心当たりはありませんか? もしかすると、それは“とびひ”かもしれません。とびひにかかると、登園を拒否されたり、プールでの水泳を禁止されることもあるので、早く治してあげたいものです。とびひについて聞きました。

 ■とびひとはどのような病気なのでしょうか。
 とびひは、正式には伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)といい、主に黄色ブドウ球菌が原因でおこる皮膚の感染症のひとつです。かゆみを伴う水疱ができ、それが破れてほかの場所やほかの子供に“飛び火”したように広がっていくことからこう呼ばれています。全身のどの部位にも生じますが、乳幼児ですと鼻の中に菌を持っていることが多いので、鼻の周辺にできやすくなります。

 ■では、なぜとびひができるのでしょう。
 とびひは、主に虫さされやあせも、かき傷、すり傷などに二次感染して起こります。これらの細菌は、健康な皮膚には感染しませんが、傷ができていたり、アトピー性皮膚炎があったりして、皮膚の抵抗力が弱っていると感染するのです。特に、高温多湿になる初夏から夏にかけて、5歳以下の乳幼児に多い傾向にあります。

 ■治療法を教えてください。
 抗生物質の飲み薬が治療の基本です。1週間〜10日くらい飲み続けます。とびひは放置すると、わきの下、股の付け根などのリンパ節が赤く腫れたり、発熱を伴うことがあります。感染力が強い皮膚病でもありますし、心当たりがある場合は、なるべく早めに皮膚科を受診して治療することが大切です。

 ■とびひができた際の注意点はありますか。
 お風呂はシャワー浴にして、石けんでやさしく洗ってください。悪化したり、ほかの人にうつったりするので、完全に治るまではプールは我慢しましょう。



 
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