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産科・婦人科編

2015/4/24掲載
 
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「サイトメガロウイルス」の母子感染 子どもの唾液や尿への接触は要注意
 
うしじまクリニック
牛島 英隆氏
産科・婦人科うしじまクリニック院長
医学博士
妊娠中のお母さんが感染すると、赤ちゃんに深刻な影響を及ぼす感染症「サイトメガロウイルス(CMV)」。感染源の一つに、子どもの尿や唾液からの接触感染などがあるそうです。専門医に詳しく聞きました。

 ■最近、CMV抗体を持つ妊婦さんが減ってきたのはなぜですか。
 昭和のころは衛生状態がよくなかったために、ほとんどのお母さんが子ども時代にCMVに感染し、妊婦さんの約95%が抗体を持っていました。しかし以前に比べ、現在は清潔な環境になり、抗体を持たないお母さんが激増。妊婦の約70%が抗体を持っておらず、妊娠中に初めて感染するケースが増えています。

 ■赤ちゃんへの影響は。
 子宮の中でCMVに感染した赤ちゃんのほとんどは無症状です。しかし、約3%の赤ちゃんが肝臓や脾臓(ひぞう)の腫れ、黄疸や出血斑の症状のほか、頭が小さかったり、目の障害、脳内石灰化といった予後の悪い神経学的な後遺症を残すこともあります。妊娠前はCMV抗体が陽性だった妊婦でも、再活性化・再燃による感染が確認されています。

 ■予防法を教えてください。
 CMVの感染源の一つが、幼児や児童です。子どもの唾液や尿への接触は避けましょう。特に、託児所などで働く妊婦さんは要注意です。おむつ交換、鼻水やよだれを拭いたとき、おもちゃに触ったときは、その後、流水と石けんでよく手を洗ってください。また、子どもと食べ物・飲み物・食器・歯ブラシを共用しない、おしゃぶりを口にしない、子どもとキスをするときは唾液接触を避ける、唾液・尿と触れそうな場所は清潔に保つといったことに気をつけてください。原因不明の高熱が続いたときには、CMVの検査も考えましょう。



 
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