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高齢者に多い脊椎(せきつい)圧迫骨折 新しい治療で負担少なく痛みを軽減 |
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背中や腰の痛みを「年齢のせい」にして我慢していませんか。それは脊椎圧迫骨折かもしれません。症状や原因、治療法を専門医に尋ねました。 |
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脊椎を構成している骨(椎体)が、左下の図のように押しつぶされるように変形してしまう骨折です。高齢者の場合、主に加齢からくる骨粗しょう症が原因で、骨粗しょう症になって骨がもろくなると、重いものを持ち上げたり、尻餅をついたり、ちょっとしたことがきっかけで、いつのまにか骨折してしまうことがあります。椎体に1カ所ではなく、数カ所の圧迫骨折が起きると身長が縮んだり、背中は円背という丸くなった状態になります。骨折したことで体の均衡が崩れるので、転倒や骨折を起こしやすくなります。高齢の方で背部痛や腰痛が急に出現した場合は、早めに診察を受けられることをおすすめします。 |
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まずは保存的療法を施します。コルセットを装着したり、ベッドで安静にしたりするほか、痛み止めや骨粗しょう症の薬剤などを併用します。比較的軽い圧迫骨折で、下肢に麻痺(まひ)や疼痛(とうつう)などの神経症状がなければ、数週間の安静で痛みは軽快することも多いのですが、痛みが強く治療が長期化すると、ベッド上での長期間安静は呼吸器や泌尿器の感染症を誘発したり、認知症になってしまう可能性も。また下肢の筋力が低下し、自立歩行が困難になることがあります。このため、十分な保存的療法によっても改善が見られない場合は、外科的療法を検討します。 |
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インプラントで補強する固定術などさまざまな治療法がありますが、新しい治療法としては、2011年1月に公的保険が適用されたBKP(経皮的椎体形成術)治療が挙げられます。背中から管を入れ、つぶれた椎体をバルーン状の手術器具で膨らませ、その空間に骨セメントを流し込む手術です。傷口は背中に2カ所、1p程度と小さく、手術時間も30分程度しか必要としません。術後の経過によりますが、短期間の入院で済む人がほとんどで、手術の翌日から歩ける方もいます。ただBKP治療は、骨折の数や状態によっては手術できないこともありますので、すべての脊椎圧迫骨折に有効というわけではありません。まずは整形外科医にご相談ください。 |
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