くまにち メディカルインタビュー
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外科編

2014/12/30掲載
 
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がん治療で相乗効果が期待されるオゾン療法 肩こりや冷え性の改善、アンチエイジングにも有効
 
医療法人社団順幸会 阿蘇立野病院 院長
上村 晋一氏
日本医療・環境オゾン研究会理事
日本外科学会認定外科専門医
がん治療の3大療法「手術療法」「化学療法」「放射線療法」。これらの治療に免疫力の向上を図る「オゾン療法」を組み合わせることで、相乗効果が期待されているそうです。具体的な方法などについて聞きました。

 ■「オゾン療法」とは。
 オゾンガスを用いたさまざまな治療法の総称で、50年以上前にドイツで開発されました。オゾンが持つ殺菌効果や免疫機能を活性化させる働きを利用して、全身の防御システムを強化し、病気の症状を緩和、軽減します。ヨーロッパでは、体力や免疫力を向上させるために、がん治療の前後に行われることが多いようです。近年、日本でも研究が進んでいます。

 ■具体的な治療法を教えてください。
 オゾン療法の一つに、患者さんの血液を100?採取し、低濃度のオゾンと反応させて体内に再注入する「大量自家血液オゾン療法」という方法があります。オゾンと反応させた血液は、酸素を含む新鮮な血液に変化します。そのため、血流が良くなり、冷え性や肩こりの改善につながります。また、筋肉の収縮や細胞運動を助ける細胞内ATPが増加したり、抗酸化力を上昇させたりする働きもあるので、アンチエイジングを期待する女性にもおすすめです。がんの代替療法などにも幅広く活用されています。治療は20〜30分ほどで終わり、血流が改善されることによって、治療の直後に体がポカポカと温まるのを実感される方もいらっしゃいます。最も効果が現れるのは、治療の3〜4日後といわれています。体質改善やアンチエイジングが目的の場合は3週間に1回、治療を受けることで効果が続きます。副作用の心配もほぼありません。

 ■がん患者にオゾン療法を用いた場合、どのような効果があるのでしょうか。
 がん治療は現在、3大療法といわれる「手術療法」「化学療法」「放射線療法」が行われていますが、これらの治療に免疫力向上を図る療法を組み合わせることで、治療の相乗効果が期待できます。オゾン療法の作用の中には、がん細胞の増殖を抑えるインターフェロンなどが増加したり、がん細胞を壊死(えし)に導く腫瘍壊死因子が増えたりするなど、がん治療にとって有効な働きがあることも分かっています。また、痛みや倦怠(けんたい)感、食欲低下などを改善し、がん患者さんの生活の質の向上に貢献する治療法としても注目されています。それぞれの特性を生かした統合医療やリハビリを組み合わせながら、患者さんにとって最適な治療を行うことが大切です。詳しくは専門医にお尋ねください。



 
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