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広がる腰痛緩和の選択肢 各種カテーテルによる治療法が登場 |
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熊本託麻台リハビリテーション病院 ペインクリニック外科 部長
後藤 真一氏
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寒さで体の血流が悪くなり、腰などの痛みが出やすい季節。最近は、腰痛やヘルニアなどの痛みをカテーテルにより治療する方法があるそうです。効果や治療の流れなどについて聞きました。 |
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腰痛は一般的に投薬で治療しますが、痛みがひどい場合は手術を行います。しかし最近では、「脊髄(せきずい)刺激療法」や「経皮的髄核摘出術」「硬膜外神経剥離RACZカテーテル」といった、カテーテルを用いて痛みを緩和する治療法が登場しています。体への負担が少ないとして注目を集め、治療の選択肢が広がっています。まずは、レントゲンやMRIなどで状態を確認してから、個人の状態に合わせた治療法を選択しましょう。 |
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保険が適用される「脊髄刺激療法」は、神経伝達の重要器官である脊髄に、微弱な電流を流して痛みを緩和します。また、脊椎にある椎間板が突出し、神経に触ることで起こるのが椎間板ヘルニアですが、「経皮的髄核摘出術」は、椎間板の中にあるゼラチン状の髄核を少量吸い出すことで突出を減らして痛みをやわらげます。その他、保険適用ではありませんが、「硬膜外神経剥離RACZカテーテル」は、腰から針を通して、炎症部位に直接薬剤を投与します。針の先を精密に動かすことができるので、痛みの原因となる癒着部位を取り除くこともできる、新しい治療法です。 |
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いずれも背中から針を通すだけなので、局所麻酔を使って30〜40分程度で治療は終わります。痕もほとんど残りません。施術後は痛みをコントロールしながら、リハビリを行っていきます。入院は約2週間の場合が多いのですが、経過によっては1カ月ほどに延長することもあります。仕事や育児などで入院が難しい人は、もちろん通院治療も可能です。 |
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治療で痛みを取り除いた上で、リハビリで体を動かして治すというトータル治療が基本的な考え方になります。リハビリが不十分なまま早く退院すると、痛みが戻ってしまう場合もあるので、リハビリで運動機能を高めながら、焦らずしっかり治すことが大事です。ただ、このような治療が行える医療機関は全国でも少なく、経験豊富なスタッフによるサポートがあるかどうかも病院選びのポイントとなります。痛みや違和感があるなと思ったら、早めに専門医に相談されることをお勧めします。 |
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