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紫外線の蓄積が引き起こす日光角化症 放置せず初期の段階で治療を |
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のぐち皮ふ科院長
野口 博光氏
医学博士。皮膚科専門医。 1990年防衛医大卒。自衛隊熊本病院、熊本大・大学院を経て、のぐち皮ふ科院長。 |
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加齢とともに、肌のトラブルに強く影響を与える紫外線。「もう年だから…」と見過ごしているシミやイボが、日光角化症という早期のがんである可能性があります。日光角化症の治療について聞きました。 |
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長年にわたり、紫外線を浴び続けてきたことで発症する皮膚疾患です。日光の影響を受けやすい顔面や頭部、手の甲などに発生しやすく、屋外で行う仕事やスポーツ、趣味などで紫外線のダメージが蓄積された高齢者に多く認められます。 |
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患部の大きさは1〜2センチ程度が多く、表面がカサカサして赤くなり、角質やかさぶたなどができたりします。しかし、一般の方が見た目で判断するのは難しく、危険でもあります。日光角化症は表皮にとどまっている、ごく早期の皮膚がんです。そのレベルでは転移の心配はありませんが、治療せずに放置しておくと、場合によっては次第に隆起し、浸潤性の有棘(ゆうきょく)細胞がんになる可能性があるからです。 |
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クリームや軟膏(なんこう)などの塗り薬による治療と、外科的治療の2つに分けられます。最近は効果的な新薬が出ており、医師の指導の下に薬の塗布と休止を交互に繰り返す治療を行い、約8週間で改善する症例も多く見られます。ただ、治療期間中に患部やその周辺に赤み(紅斑)やかさぶた(痂皮)、むくみ(浮腫)などの副作用が現れることがあり、特に女性や仕事などで人と会う機会が多い男性は、気にされるようです。 |
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局所麻酔で、患部の周辺をやや広めに切除します。所要時間は20分ほどで、切除した一部は組織検査に出します。次の受診時に抜糸を行い、検査結果を見て、患部の周囲に取り残しがないかを確認します。日光角化症は、ほとんどの場合、痛みやかゆみなどの自覚症状がありません。高齢者は自分では見過ごしがちなため、家族や周囲の方が日ごろから、注意して見てあげるとよいでしょう。判断に迷う皮膚疾患があったら、早めに皮膚科までご相談ください。 |
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