くまにち メディカルインタビュー
   HOME > 眼科 インタビュー一覧> 眼科 最前線
 
眼科編

2013/11/29掲載
 
MENU
美容整形
美容皮膚
ダイエット
内科
心療内科
歯科
皮膚科
婦人科
肛門科
がん治療科
小児科
眼科
整形外科
耳鼻咽喉科
神経内科
泌尿器科
放射線科
循環器内科
医療福祉
消化器外科
形成外科
味覚障害
免疫治療
血管外科
精神科
加齢による白内障は手術で治癒が可能 怖い眼底の病気発見のために早期の治療を
 
岩上眼科 院長
岩上 英一氏
加齢が主因の白内障も、近年は手術で治癒できるそう。怖いのはむしろ、緑内障や加齢黄斑変性など眼底の病気。白内障を治すことは眼底の病気の早期発見につながります。症状や治療法を専門医に聞きました。

 ■白内障が発症する原因は?
 基本的には、老化に伴って発症します。眼球内でレンズの役割を果たす水晶体が濁るもので、誰もがかかりうる病気です。年齢的には50歳過ぎから発症するようになり、高齢になるほど発症率は高くなります。また、糖尿病持ちの人はかかりやすいですね。病状の程度や進行度は人によってさまざまです。

 ■どんな症状が出るのですか?
 視力が低下することにより、物がかすんで見えたり、まぶしいと感じたりするようになります。痛みや違和感がほとんどないので放置しがちですが、「かすみ目が気になる」「日中の明るい日差しや夜間の車のヘッドライトがまぶしすぎる」といった中程度の症状になったら、専門医に診てもらうのがよいでしょう。近年は多くの高齢者が車を運転されますので、運転時、目に不自由を感じたら治療が必要です。

 ■治療法について教えてください。
 手術で患部を取り除きます。最近は技術の進歩で患者さんに負担を掛けず、手術ができるようになりました。目の水晶体は外側の皮と内部の核の二層構造になっていますが、手術では外側を温存して濁った内部を抜くわけです。まず、白まなこ部分を2〜3o切開して機械を入れ、超音波で水晶体を粉砕(乳化)し、吸引します。水晶体の代わりに人工のレンズをはめ込み、切開部分を閉じれば手術は完了です。所要時間はほんの15〜20分程度です。

 ■麻酔は怖くありませんか?
 まず点眼麻酔をして、その後、白まなこに局所麻酔の注射を打ちますから、痛くないし、少しも怖くはありません。手術後に麻酔が切れても、ほとんど無痛です。

 ■手術後に気をつけることは?
 外側の皮が完全にふさがるまで1〜2週間程度かかります。雑菌が入らないよう、しばらく洗顔を我慢していただくことになりますが、それ以外は普段通りの生活で構いません。車の運転も可能です。

 ■白内障を治せば、どのようなメリットがありますか?
 見え方が良くなるだけでなく、重要な利点があります。今の日本で失明の主因となっているのは緑内障、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症など眼底の病気ですが、医療技術の進歩で早期発見・早期治療をすれば以前よりも治せるようになりました。しかし、白内障にかかっていると、眼底検査をしても病巣を発見しにくいのです。ですから、眼底の病気の早期発見のためにも、白内障は早めに治しましょう。



 
無断転載は禁じます。
掲載の記事、写真等の著作権は熊本日日新聞社または、各情報提供者にあります。
Copyright Kumamoto Nichinichi Shimbun
  (c) 熊本日日新聞社 〒860-8506 熊本市中央区世安1-5-1
くまにち.com トップページへ