くまにち メディカルインタビュー
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婦人編

2012/11/2掲載
 
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お腹の傷が目立たない子宮摘出法術後の痛みが軽く、患者の負担軽減
 
慈恵病院産婦人科医師
蓮田 健氏
九州大学医学部卒業
九州大学付属病院、国立病院九州医療センターなどで産婦人科勤務
命を育む大切な子宮。子宮の病気は必ずしも自覚症状が出るものではなく、大きさや部位によっては、気付かないまま重症化してしまうことも少なくないそうです。詳しく話を聞きました。

 ■子宮の病気について教えてください。
 子宮にまつわる病気として、まず「子宮筋腫(きんしゅ)」が挙げられます。これは、子宮の筋肉に硬いこぶのような腫瘍(しゅよう)ができる病気です。良性の腫瘍なので、他の組織に害を及ぼしたり、臓器に転移する心配はありません。ただ、発生頻度が高く、35歳以上の5人に1人には認められるとも言われています。子宮筋腫ができると、生理の際の出血量が増え、貧血になることがあります。

 ■治療は必要ないのですか?
 子宮筋腫は、重症化すると、不妊症や流産・早産の原因にもなり得ます。症状によっては、治療が必要でしょう。また、子宮筋腫と形状や発生場所が似ている「子宮肉腫」という病気がありますが、これは悪性の腫瘍です。子宮筋腫との判別は容易ではないため、良性だからと軽視せず、筋腫をお持ちの方は、定期的な検査が重要となります。

 ■このほか知っておくべき事は?
 子宮筋腫と共に発症率が高く、月経異常や不妊などを起こす病気として注意すべきなのが「子宮腺筋症」です。子宮の筋肉になんらかの原因で子宮内膜が入り込み、子宮が腫大。ひどい生理痛や貧血の原因になり、痛み止めが効かないほどの痛みに見舞われることもあります。

 ■治療法について教えてください。
 子宮の病気に対しては、薬の投与や手術が行われます。薬は、痛み止め、ホルモン剤、漢方薬などが使われます。手術では、子宮全摘出手術と病気の部位のみを摘出する手術があります。子宮を全摘出する際、以前はお腹を開けて摘出する方法が一般的でした。しかし最近は、極力お腹に傷を加えず、子宮を摘出する方法が増えてきています。

 ■詳しく教えてください。
 子宮が大きい場合や癒着が疑われる場合には、腹腔鏡と呼ばれる器械をおへそ付近から挿入し、癒着などがないことを確認しながら手術を進めていくこともあります。おへそや下腹部に1〜2?の傷が数カ所残りますが、開腹手術に比べると体への負担は軽いと言えます。一方、子宮が大きくなければ、膣の方から切開を加え、子宮を摘出することも可能です。子宮を摘出することに伴う下腹部の痛みは生じるものの、開腹手術と比較すれば手術後の痛みは軽く済みます。お腹に傷が残らないため、美容上も優れています。これらの手術が可能かどうかは、患者さんの状態によって異なります。詳細は専門医にご相談ください。



 
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