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| 亜鉛の不足で起こる味覚障害 食生活の指導と適切な治療により改善へ |
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医療法人社団 寿量会 熊本機能病院 顧問
小川 尚氏
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| 味覚障害に悩む人が増えているそうです。日本では現在、約24万人が味覚障害にかかっていると言われています。味覚障害の原因と治療方法について詳しく聞きました。 |
| ■味覚障害になると、どんな症状が現れるのでしょうか? |
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| 皆と食事をしているのに、一人だけ味が薄いと感じたり、何も口に入っていないのに苦さや塩辛さ、甘さなどを感じる場合は、味覚障害が疑われます。どちらかと言えば、50歳以上の中高年の女性に多い病気ですが、最近は若い人にも症状が見つかっています。 |
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| 年齢によって原因は異なりますが、若い人の場合は無理なダイエット、インスタント食品やコンビニ弁当などに含まれる人工保存料の過剰な摂取が影響している場合が多いようです。一方、中高年の場合は、野菜中心の食事や成人病の治療薬の副作用によるものなどが考えられます。いずれも、本来なら1日10㎎の摂取が必要な亜鉛が不足することで症状が現れます。 |
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| ■どうして亜鉛の不足で味覚障害が起こるのでしょうか? |
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| 味の刺激を受けるのは、舌や口蓋（こうがい）にある“味蕾（みらい）”に含まれる味細胞です。味細胞は本来約10日間で生まれ変わるのですが、亜鉛が不足することで、古い味細胞がそのまま残り、味が分からなくなると考えられています。また、味細胞を保護する唾液が不足した場合も、味細胞の再生が妨げられます。味細胞の遺伝子に異常が起こると、甘いものを苦く感じたり、何も口に入れていないのに苦く感じるようになります。 |
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| ■味覚障害をそのままにしておくと、どうなりますか? |
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| 味が分からないので、濃い味のものを食べ続けることになり、糖尿病や高血圧、脳梗塞などの重大な病気の原因になることもあります。特に女性の場合は料理を作る機会が多いので、家族の食事にも影響しかねません。 |
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| 食生活の改善指導と同時に、亜鉛剤を処方します。軽い症状の人なら3カ月程度で治ることもありますが、発病から何年もたっていると、治療が長期間になることもあります。また、薬剤の副作用が原因で味覚障害を引き起こしている場合は、他の薬に変更することを考えなければいけません。唾液の分泌不足で口が乾いている人には、唾液分泌を促進して、味覚の回復も図る必要があります。気になる症状が現れたら、早めに専門医に相談されることをお勧めします。 |
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