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産科・婦人科編

2011/9/23掲載
 
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妊娠中に気分が悪くなった時… 「つわり」「脳貧血」「仰臥位低血圧」
 
うしじまクリニック
牛島 英隆氏
産科・婦人科うしじまクリニック院長
医学博士
妊娠中の気分不良の原因は、治療の必要のない生理的な状態から、治療が必要な病気までさまざまだそうです。詳しく話を聞きました。

 ■妊娠中の気分不良について教えて下さい。
 つわりとは、妊婦の約80%に起こる生理的な変化です。メカニズムは明らかではありませんが、胎盤の源になる絨毛(じゅうもう)から出るホルモンなどが関係していると推察されます。適切な輸液で軽減でき、時期が来れば必ず止まるので心配いりません。つわりがひどくなり、体液のバランスまで崩れ、治療が必要になる状態を妊娠悪阻(おそ)と呼びます。食事が全くとれず、エネルギー源として脂肪を使うようになると、ケトン体という物質が発生、電解質の異常まで引き起こすこともあります。

 ■脳貧血とは?
 つわりと同じ頃、目の前が真っ暗になって倒れることがよくあります。これは脳貧血のためです。妊娠中は筋肉が柔らかくなり、血管の周りにある血管平滑筋がゆっくりとしか反応しません。そのため、頭の方向を急に変えたりすると、うまくこの筋肉が収縮せずに脳に血液を保てず、脳貧血を起こします。妊婦一人での買い物は避けましょう。

 ■妊娠後期に、仰向けで寝ると気分が悪くなることがあるそうですね。
 仰向けになると、妊娠で大きくなった子宮が体の下側になった静脈を圧迫します。そのため心臓に戻る血液量が減り、血圧が下がります。これを仰臥位低血圧と言います。また、妊婦後期の死産について調べた最近の報告では、左を下にして寝ていたお母さんは死産率が低下したとのことです。仰臥位低血圧と関係があるかも知れませんので、妊娠後期は左を下に寝る方をお勧めします。



 
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